Saturday, 17 May 2025

サンディエゴ市、1919年以来の「ごみ収集料金」導入へ 料金体系と抗議投票の仕組み解説

5/3/2025

サンディエゴ市1919年以来初めてとなる家庭ごみ収集料金の導入に向け、制度整備を進めている。

市環境サービス課は住民からの意見を踏まえた新たな料金体系を発表した。対象となる一戸建て住宅所有者には「抗議投票 (protest vote)」の通知も送付されており、料金導入の最終段階に入った。

新料金体系では、ごみ収集用の黒いごみ箱 (ブラックビン) のサイズに応じて3つの選択肢が用意されている。標準の95ガロン容器使用時は月額47.59ドル、中型の65ガロン容器は42.88ドル、小型の35ガロン容器は36.72ドルとなる。いずれのプランでも、リサイクル用および生ごみ用には95ガロン容器が無償で提供される。全家庭はまず95ガロン容器からスタートし、小型容器を希望すれば後から変更でき、料金も調整される。

今回の動きは、2022年の「提案B (Measure B)」によって100年以上の歴史を持つ「ピープルズ条例 (People’s Ordinance)」が撤廃され、市が単独住宅向けの無料ごみ収集義務から解放されたことを受けたもの。サンディエゴ市環境課長代理カービー・ブレイディ氏は「全員が質の高いサービスを受け、適正な負担をすることが必要」と強調している。

一方、カリフォルニア州法により、対象となる不動産所有者の過半数 (50%超) が書面で反対表明をすれば、新料金の導入は阻止される。これが「抗議投票」となる。サンディエゴ市は影響を受ける約23万戸に通知と投票用紙を郵送済みで、所有者は6月9日までに市書記課に投票用紙を提出する必要がある。提出は郵送または直接持参で行う。

票の集計結果、過半数の反対が認められれば料金導入は中止になる。最終的な審議と決定は6月24日に市議会で行われ、承認されれば新料金は7月1日から施行される予定だ。

ブレイディ氏は「ごみ収集は住民が意識せずに済むべきサービスであり、今回の料金導入は、より迅速かつ効率的なごみ収集体制を確立するための資金確保に不可欠なもの」と述べている。


▪️サンディエゴ市「ごみ収集料金導入計画」実施 or 中止までの流れ:
    •    サンディエゴ市は1919年以来初めて家庭ごみ収集の有料化を計画。
    •    影響を受ける20万戸以上の一戸建て住宅所有者に「抗議投票 (protest vote)」用紙を郵送。
    •    カリフォルニア州法により影響対象の過半数 (50%超) が書面で反対すれば導入できない。
    •    抗議投票制度は「提案218号 (Prop. 218)」に基づいている。背景には「提案13号 (Prop. 13」による税収制限がある。
    •    投票用紙は6月9日の公聴会終了までに市書記局へ提出が必要 (郵送または持参)。
    •    公聴会では口頭意見も可能だが、正式な抗議票にはカウントされない。
    •    票の集計後、過半数反対ならごみ収集料金の導入は中止。
    •    市議会は6月24日に最終判断を行い、料金を郡税台帳で徴収する方法も審議予定。


抗議投票の詳細はサンディエゴ市ホームページ .com 参照