2024年7月31日
先月末にカリフォルニア州中部で発生した山火事は州南部にも被害が拡大し、火の猛威はリバーサイド郡~米墨国境域まで及んだ。
リバーサイド郡南部で7月29日午後12時30分頃に発生した「ニクソン火災」は、30日時点で同郡内ビューティー マウンテン ウィルダネス地域で延焼を続けており、条件次第ではサンディエゴ郡にも拡大する可能性があるという。
これを受けて、SD郡保安官事務所は両郡境界の地域に対して避難勧告を発出した。
30日夕刻時点でニクソン火災の広がりは4,941エーカーに達した。
カリフォルニア州消防局 (Cal Fire) は完全に鎮火されていないと発表。
この火災で住宅1棟が全焼し、4棟の構造物が被害を受けた。
さらに同日、もう一つの山火事がアメリカ/メキシコ国境沿いで発火し、消防士たちは消火作業に追われていた。
この火災は「ボーダー66火災」と名付けられ、Cal Fire の発表によると、バハカリフォルニア州の国境都市テカテにある、先住民クメヤアイ族の霊山テカテピークで発生した。
30日の時点で火災は既に296エーカーを焼き尽くしており、SD郡の最南東部まで広がっているという。
SD郡の平均気温と乾燥度は “地球沸騰化” の影響で年々上昇しており、山火事と煤煙被害のリスクが高まっている。
郡内で発生する山火事の誘因となるのは、盛夏~晩秋にかけて山間部から南カリフォルニア一帯に吹き込む強い熱風サンタアナ。
2003年と2007年には都市部まで延焼が拡大して甚大な被害を出した。
(2024年8月16日号掲載)