Wednesday, 16 October 2024

「ネズミ対策サミット」開催 NYに大量生息、死骸多数

2024年9月25日

ニューヨーク市内に大量生息するネズミを減らそうと、同市は9月18日~19日、米国とカナダの自治体の専門家や研究者を招いて「ネズミ対策サミット」を開いた。

飲食店周辺や地下鉄駅で頻繁に目撃され、路上に死骸があることも多く、保健衛生上の優先課題として「ネズミとの戦争」 (エリック・アダムズ市長) に本腰を入れている。


「自宅でもネズミを見た場所に近づけなくなる、という声を耳にする」。

アダムズ市長は18日の会合冒頭、目撃するだけでも精神的な打撃が大きいと指摘し「想像以上に我々の生活クオリティーに影響を与えている」と、対策の必要性を強調した。


駆除業者の推計によると、NY市内の生息数は2010年に約200万匹だったのが、2022年には約300万匹に増えた。

人口約880万人の3分の1以上の数に当たる。


アダムズ氏は昨年4月、年収15万5,000ドル (約2,200万円) で部署横断的に調整を担う「ネズミ対策官」のポストを新設し、NY市教育局で学校でのゴミ削減や害獣駆除に実績のあったキャスリン・コラディ氏を任命した。

NY市は路上のゴミ袋がネズミの餌になっているとして、蓋 (ふた) 付きのコンテナ容器に廃棄物を入れて回収に出すよう飲食店などに義務付けた。

駆除態勢も強化し、約1年間での目撃件数は前年比で6%余り減少したという。


コラディ対策官は会合前の声明で「各分野の協力と科学的見地に基づいた手法でNY市民の暮らしを向上させる」と意気込んだ。

(2024年9月16日号掲載)