9/6/2025米海洋大気局 (NOAA) は8月、2025年秋から冬にかけて弱いラニーニャが発生する可能性が50%以上あると発表した。これは「ラニーニャ監視 (La Niña Watch)」の発令にあたり、カリフォルニア州民にとって気になる冬の気象への影響が注目されている。
▪️ラニーニャとは何か
ラニーニャは太平洋中部から東部の海面水温が平年より低下する現象で、米国全体の気象に大きな影響を及ぼす。一般的に北部は寒冷かつ多雨、南部は高温で乾燥しやすくなる。カリフォルニアでも北部は雨が多く寒い冬となる一方、南部は乾燥と高温が進み、干魃 (かんばつ) や山火事のリスクを高める傾向がある。逆にエルニーニョ現象では、太平洋の海面が高温化し、北部が暖かく乾燥、南部が多雨で大規模な嵐を伴うこともある。
▪️今年の予測状況
現在はラニーニャでもエルニーニョでもない「中立 (ENSOニュートラル)」の状態だが、NOAAは10月ごろからラニーニャ傾向に移行し、2025年秋から冬にかけて一時的に持続すると予測している。その後は再び中立状態に戻る見込みだ。8月14日の最新予測では、9月から11月にかけてラニーニャが発生する確率は55%程度とされている。
▪️北カリフォルニアへの影響
通常ラニーニャ時には北カリフォルニアは多雨となるが、今回の予測はやや複雑だ。NOAAの最新気象図では、12月から翌年2月にかけてベイエリアの降水量が平年比33〜40%減少する可能性が示されている。気温については、平年より高いか低いか現時点では判断が難しいとされる。
▪️南カリフォルニアへの影響
一方で、南カリフォルニアについては乾燥と高温傾向がより明確だ。8月21日に発表された「冬季予測」では、12月から2月の降水量が平年を下回る確率は40〜50%、気温が平年より高くなる確率は33〜40%とされている。すでに夏の猛暑と山火事リスクが深刻化している同地域にとって、厳しい予報といえる。
今冬のカリフォルニアは、北部で雨不足の可能性があり、南部ではさらに乾燥と高温が予想される。干魃や山火事リスクの高まりが懸念される中、州民は気象当局の警戒情報に注視し、早めの備えをすることが求められている。