4/5/2025トランプ大統領は、ほぼ全ての貿易相手国に対して新たな関税を課すと発表した。中国からの輸入品に54%、EUに20%、インドに26%、日本に24%といった高率関税が課されることになり、米国の消費者に大きな影響を与えると同時に、世界貿易の枠組みそのものを揺るがす可能性がある。
発表はホワイトハウスのローズガーデンで行われ、トランプ氏は「経済的非常事態」を理由に、貿易黒字を持つ国々に対して報復関税を実施すると表明した。すべての国からの輸入品に対し、一律10%の基礎関税を課すとも述べた。
この関税措置は、現代の国際貿易体制における歴史的な課税強化となり、長年築かれてきた経済的協調体制や同盟関係を壊しかねないものとなる。住宅、自動車、衣料といった中間層にとって不可欠な生活必需品が値上がりすることが予想され、米国民にとっては困難な移行期の始まりとなる見込みだ。
今回の措置は、トランプ氏が長年予告していた「相互関税 (reciprocal tariffs)」の実行であり、米国への輸出に対する各国の関税や非関税障壁 (為替操作、環境規制の緩さなど) に対抗するものだった。
新たな関税リストには数千億ドル、場合によっては数兆ドル規模の貿易に関わる課税が含まれており、影響は極めて広範囲に及ぶと見られている。
この発表を受け、米国の株式市場は当初の上昇が一転して下落に向かった。S&P500先物は時間外取引で1.5%下落し、市場には不安が広がった。
経済界では「このような大規模な関税措置は、米国の消費者物価の上昇を引き起こし、特に中間層への負担が大きくなる」と懸念する声が強まっている。トランプ氏の貿易政策は、国内産業保護を掲げつつも、国際経済の連携構造を再編しようとする強硬姿勢が特徴であり、今後の世界経済に与える影響は計り知れないものがある。