2024年4月12日
ロサンゼルスの連邦地検は4月11日、銀行詐欺容疑で大リーグ、ドジャース・大谷翔平選手 (29) の元通訳・水原一平容疑者 (39) を訴追したと発表した。
違法賭博の借金を返すため、大谷選手の口座から胴元側に1,600万ドル (約24億5,000万円) 以上を不正送金したとしている。
大谷選手は送金を知らず、許可もしておらず被害者だと指摘した。
水原容疑者は翌12日に同地裁に出廷。
水原容疑者が正式に起訴され、有罪評決が出れば、最高で禁錮30年が科される可能性がある。
連邦地検によると、水原容疑者は送金のため、大谷選手を装って銀行に電話した疑いがある。
大谷選手は4月上旬に捜査当局から事情聴取を受け、送金への関与を否定した。
連邦地検が開示した裁判資料によると、大谷選手が提出した携帯電話からは、送金や違法賭博について関知していたことを示す証拠はなかったという。
連邦地検によると、水原容疑者は2021年9月に違法スポーツ賭博を始めた。
多額の損失を抱え始めた数か月後までに、大谷選手の口座の連絡先が水原容疑者の電話番号などに変更された疑いがある。
送金したのは22021年11月から2024年1月までで、水原容疑者が関係する機器やIPアドレスが使われていた。
担当検事は記者会見で「大谷選手は事件の被害者」と強調。
水原容疑者が野球賭博をしていたことは確認できなかったと説明した。
水原容疑者は2018年、大谷選手の銀行口座の開設を手伝った。
大谷選手の野球選手としての収入はこの口座に入金されていた。
他の口座も含めて、大谷選手が水原容疑者に管理を任せたことはなかったが、水原容疑者は大谷選手の会計担当らに対し、口座にアクセスしないよう大谷選手が求めていると伝えたとされる。
水原容疑者は違法賭博問題の発覚を受けて球団を解雇された。
不正送金24億円超の疑い、有罪認めれば司法取引へ
ロサンゼルスの連邦地検が大谷選手の元通訳・水原容疑者を銀行詐欺罪で訴追した。
Q:訴追とは?
A:検察が裁判所に犯罪の容疑者であると信じる相当な理由を提示し、刑事責任を追及すること。今回は連邦地裁に捜査官の宣誓証言が提出された。水原容疑者が違法賭博で多額の損失を出し、大谷選手の銀行口座から不正に送金したとする過程が詳述されている。
Q:今後の流れは?
A:水原容疑者は4月12日に同地裁に出廷する。
罪状認否の機会が設定される見込みで、有罪を認めた場合は量刑に関する司法取引が成立する可能性が高くなる。司法取引があっても実刑20~30年は免れないかもしれない。
(2024年5月1日号掲載)