3/20/2026
■「困難な会談」 焦点はホルムズ海峡の安全確保
日本の高市早苗首相は3月19日、ワシントンDCでトランプ大統領と会談した。表向きは通商協議と同盟深化が目的だが、会談の空気を支配したのは、米国とイスラエルによる対イラン戦争とその余波。トランプ氏は大統領執務室で、日本が「もっと踏み出す (step up)」ことを期待すると述べ、原油輸送の要衝ホルムズ海峡の流れを守る協力を求めた。
■ 揺れるトランプ氏の要求 同盟国の「協力不要」発言も
トランプ氏は会談前、同盟国にホルムズ海峡の確保への関与を促したが、各国の反応は総じて慎重だった。日本も欧州主要国とともに「安全な航行確保に向け適切な努力に貢献する用意」を示す一方、軍事的コミットの踏み込みは限定的と受け止められている。トランプ氏自身も、同盟国が即応しないことへの不満から「誰の助けも要らない」と強硬な投稿をしたと報じられ、要求のトーンは揺れている。
■ 日本の制約は憲法と世論 「石油の9割超が海峡経由」の事実
日本は中東依存度が高く、ホルムズ海峡の不安定化は電力・物流・物価に直結する。だが、対外軍事行動には戦後の憲法上の制約があり、政府としても正面から拒否しにくい一方で、踏み込みすぎれば国内の反発を招く難しい立場にある。会談では米側が作戦を同盟国に事前通告しなかった理由を問われ、トランプ氏が真珠湾攻撃に触れる「冗談」を飛ばし、場が凍りついた一面もあった。
■ 中国、ミサイル防衛、通商 同盟の「別テーマ」同時進行
高市首相は会談で、インド太平洋の安全保障、とりわけ中国対応も議題に据えた。対中関係は台湾有事をめぐる発言などで緊張が高まってきた経緯があり、米国の関与低下への懸念も根強い。さらに日本側では、米国の「Golden Dome (ミサイル防衛構想)」への協力が取り沙汰され、会談でも関連協議が俎上 (そじょう) に載った。加えて、エネルギーや重要鉱物 (レアアース) など経済安全保障の分野は円安・インフレ下の日本にとって確実に成果を取りたいテーマとなる。
■「同盟の結束」演出 イラン戦争が残す不確実性も
会談は互いに称賛を交わし同盟の結束を演出する場面もあった一方、対イラン戦争が同盟国に新たな負担を求める構図を浮き彫りにした。日本はホルムズの安定に利害を持ちながらも、軍事支援の「線引き」を迫られる。今後は非戦闘分野 (情報共有、後方支援、機雷掃海の位置づけ、経済協力) で、どこまで「踏み出し」を具体化するかが焦点となりそうだ。
✳︎右上の画像は AI が生成したイメージです。