5/4/2025サンディエゴ市議会は4月22日、ヒルクレスト、ノースパーク、オーシャンビーチなどのビジネス区域にある一部道路における制限速度を、時速20マイル (約32キロ) に引き下げることを決議した。歩行者の安全性を高め、地域の歩行回遊性と商業活動の活性化を図るための措置という。
この取り組みはカリフォルニア州法「AB 43」に基づくもので、自治体が安全性を考慮して制限速度を設定可能になったことで実施される。同法の施行以前は、実際に車が走行する平均速度を基に制限速度を設定するルールが一般的であり、結果として「スピードクリープ (速度の常態的上昇)」が起き、市側が制限速度を引き上げざるを得ないという逆効果を生んでいた。
今回、制限速度が20マイルに引き下げられるのは、ヒルクレスト University Ave.、ノースパーク30th St.、オーシャンビーチ Newport Ave. など。加えて、他の一部道路では25マイル (約40キロ) への引き下げも実施される。
また、サンディエゴ市議会は速度調査の結果、法的には制限速度を引き上げる対象となっている72か所の通りについて、現行の速度制限を維持、あるいは以前の制限に戻すことも同時に決定した。
ラウル・カンピージョ市議は「AB 43以前の法律は逆効果であり、むしろ危険運転を助長していた」と述べ、今回の法改正による新たな柔軟性を評価している。
ヒルクレスト・ビジネス協会 (Hillcrest Business Association) のベンジャミン・ニコルズ事務局長は、車両速度の引き下げが歩行者にとっての安心感と商業エリアとしての魅力向上につながると強調。「ヒルクレストは “歩くための街” であり、その歩行体験を最優先にすべき」と述べている。
ニコルズ事務局長は「標識だけでは効果が限られる」とも指摘し、歩道の拡幅や横断歩道の新設、街路樹の植栽など、インフラ整備を通じた交通安全対策の必要性も訴えた。
サンディエゴ市の交通技術課では、今後もAB 43を活用した「速度管理計画」を市全域に展開する方針だ。