2024年10月5日
米国に暮らす者なら、少なくとも一度くらい、裁判所から陪審員候補に選ばれたという召喚状 (Summon) を受け取ったことがあるだろう。
陪審員候補は運転免許や選挙権などの保有リストから無作為に選ばれる (陪審員になる資格があるのは米国市民権保持者のみ)。
サンディエゴ郡上級裁判所は先月、同郡内で陪審義務違反を告知する詐欺電話が横行していると警告を発した。
詐欺師たちは裁判所職員を名乗り、義務不履行を理由に逮捕の可能性や罰金徴収をほのめかし、金銭を要求しているという。
裁判所によると、詐欺師たちは一般市民に対し「出廷義務を果たさなかった」「法廷侮辱罪」などを理由に、罰金・過料を処されると脅迫しているようだ。
被害者が現金やマネーオーダーを用意するよう指示を受けたり、郡裁判所の近くで待機する裁判所職員への金銭支払いを強要されるケースも報告されている。
司法の職員を名乗る者が、陪審義務の不履行を理由に口頭で逮捕をほのめかしたり、裁判所外での金銭授受を強制することはないので、このような詐欺電話には注意すべきだ。
通話を拒絶しても電話攻勢が続く場合は、地元の警察に通報するよう勧めている。
SD郡上級裁判所の事務局によると、実際に罰金や手数料を支払う場合は、現金、小切手、クレジットカードが一般的で、裁判所の業務窓口での支払いのほか、郵送やオンライン決済も可能という。
裁判所職員が現金、ギフトカード、マネーオーダーでの支払いを強要することは有り得ないと強調している。
(2024年10月16日号掲載)