2024年9月13日
大統領選で、1990年代半ば以降に生まれた「Z世代」(Generation Z) を中心とした若者が支持する候補に男女差が出ている。
民主党のハリス副大統領を応援する女性が増えている一方、男性は共和党のトランプ前大統領に好意的な傾向が強い。
女性の地位が向上する中で「置き去りにされている」と感じる男性がいるのが一因のようだ。
ニューヨーク・タイムズ紙が8月、6つの激戦州で18~29歳を対象に実施した世論調査によると、女性の支持でハリス氏がトランプ氏を38ポイント上回った。
トランプ氏は男性の支持で13ポイントリードした。
トランプ氏の主張は特に大学の学位がない若者、非白人の若者に響いているもよう。
ニューヨーク・タイムズ紙は自分たちが軽視されていると感じてトランプ氏の「力強い態度」に引かれる若い男性がいると指摘した。
別の調査によると、若い女性が最も重視するのはハリス氏が権利擁護を掲げる人工妊娠中絶。
一方、若い男性は経済と答える人が多かった。
複数の激戦州があるラストベルト (rust belt=錆びた工業地帯) では製造業が衰退し、学位がない男性が従事してきた仕事は減少の一途をたどっている。
急激なインフレ前のトランプ政権時は経済が絶好調だったとの印象が強いことも背景にありそうだ。
米国では近年、女性の方が大学卒業者が多く、バイデン民主党政権による大学生向け学費ローン返済免除策も影響している可能性がある。
(2024年10月1日号掲載)