August 24, 2026

「スーパーエルニーニョ」に備えを サンディエゴ市が異例の合同会見

8/18/2026

beachfront flooding neighborhood l■市のほぼ全部門がバルボアパークに集結

サンディエゴ市の危機管理当局は8月18日、この冬に「非常に強い」エルニーニョ現象が発生する可能性があるとして、市民に今から備えるよう呼びかけた。バルボアパークで開かれた会見には、危機管理室、警察、消防救急、交通、雨水 (うすい)、環境サービスなど市のほぼ全部門の担当者と市議会議員ら約20人が顔をそろえた。トッド・グロリア市長は「市は最大限の準備をしている。市民の皆さんにも同じ備えをお願いしたい」と述べ、行政と住民双方の役割分担を強調した。

■2024年1月の大洪水が教訓

市が異例の規模で警戒を呼びかける背景には、2024年1月の記録的な洪水がある。この時はサウスクレスト、エンカント、マウンテンビュー、リンカーンパークなど市南東部が広範囲に浸水し、甚大な被害が出た。詰まったチョーラス・クリークへの対応が不十分だったとして市は批判を浴び、その後、被災者に保険金を支払った保険会社に対して多額の和解金を支払っている。ジョー・ラカバ市議会議長は、過去に浸水した地区では同程度かそれ以上の被害を想定すべきだと述べた。


■雨水インフラの清掃と維持管理を前倒し

市の雨水局は、水路や排水溝の清掃・維持管理を通常の雨季より前倒しで進めている。前年度は11マイル以上の雨水路を整備し、2024年の洪水で被害を受けた地区などを優先した。7月に始まった2027会計年度には、20マイル以上の水路の整備を予定している。一方で市内には民有の水路もあり、約180人の所有者に対して清掃・維持の責任を通知する方針だ。ただし市の雨水インフラには50億ドル (約7,500億円) 規模の整備の積み残しがある。


■気象局の職員が危機管理室に常駐

対応強化の一環として、消防救急局のロバート・レゼンデ次長は、米国立気象局 (NWS) の気象専門官フェリックス・カストロ氏が市の危機管理室 (Office of Emergency Services) に常駐すると発表した。市の危機管理室は全部門と公共安全機関が参加する「エルニーニョ作業部会」も設置しており、雨季を通じて備えと対応、市民への情報発信を一元的に調整する。会見には郡の緊急対応チームなど他の行政機関も参加した。


■エルニーニョ=大雨とは限らない

エルニーニョは太平洋熱帯域の海面水温が平年より高くなる現象で、それ自体は嵐ではなく気圧配置に影響を与えるものだ。過去の事例を見ると、1982〜83年と1997〜98年にはサンディエゴ空港のリンドバーグ・フィールドで年間約20インチ (約508ミリ) の降水を記録し、平年の2倍近くに達した。一方で2015〜16年の「ゴジラ・エルニーニョ」では約8インチにとどまり、平年を下回った。強いエルニーニョでも乾燥する年があるということだ。

■市民に求められる3つの備え

当局が市民に呼びかけているのは、①自宅や職場の浸水リスクを把握する、②家族単位の緊急時計画を立てる、③公式の緊急速報に登録する—の3点だ。市は特設ページ (sandiego.gov/elnino) を開設し、リスク確認や備えの手順を案内している。緊急速報は AlertSanDiego.org から登録できる。短時間に集中して降る豪雨は、整備された排水設備でも処理しきれない場合がある。当局は、冠水した道路には決して車で進入しないよう強く注意を促している。

︎上の画像は AI が生成したイメージです。