July 6, 2025

サンディエゴ国際空港の拡張プロジェクト進捗状況 最新鋭の保安システム、効率的な搭乗手続き

11/15/2024

サンディエゴ国際空港 (Lindbergh Field) は利用者の増加と地域経済の成長を見据えて、総額30億ドルを投じた大規模な拡張プロジェクトが進行中。

今回の拡張計画は、空港の利便性とサービスの向上を目指し、2028年の完工を目標としている。

新ターミナルの建設や滑走路の整備を含んでおり、サンディエゴをより重要な国際拠点とするための鍵となる。


* * * * *

現在の空港は、年間2,500万人以上の乗客を受け入れているが、施設の老朽化と利用者の増加に対応するためのアップグレードが急務だった。

特に、ターミナル1は1967年に開業した建物であり、現代の旅行者の需要に対応しきれていない。

新ターミナルは、最新技術を取り入れた効率的なチェックインカウンターやセキュリティシステム、さらには広々とした搭乗ゲートを備える予定である。


新ターミナルの完成後、既存ターミナルと合わせて合計62のゲートが利用可能となり、より多くのフライトを受け入れることができる。

さらに、環境への配慮も重視されており、太陽光発電や雨水の再利用システムを導入する計画である。

これにより、空港全体の炭素排出量の削減が期待されている。


今回の拡張工事は、交通アクセスの改善も目的としている。

新ターミナルにはシャトルバス専用レーンが設置され、サンディエゴ市内や近隣エリアへの公共交通アクセスが強化される見込みだ。

駐車場の拡張や電気自動車用充電設備の設置も計画されており、持続可能な交通手段の普及を促進する狙いがある。


* * * * *

拡張プロジェクトは地域経済にも大きな影響を与える。

建設期間中には数千職の雇用が生まれ、地域の労働市場を活性化させるとみられている。

さらに、拡張後の空港は観光客の増加を促し、ホテル、レストラン、小売業など地元産業への経済効果が期待される。

サンディエゴ市はこのプロジェクトが完成することで、より多くの国際線を誘致し、観光業を一層強化できると見込んでいる。


* * * * *

一方で、工事期間中の混雑や交通渋滞が懸念されている。

空港運営側は拡張工事による不便を最小限に抑えるため、段階的な工事計画を採用し、現行のフライト運行に影響が出ないよう配慮している。

利用者に対しては公共交通機関の利用を呼びかけるとともに、リアルタイムの交通情報を提供するなど、混雑緩和に向けた取り組みを進めている。


また、地元住民からは工事による騒音や環境負荷への懸念の声も上がっている。

空港側は住民との対話を重視し、定期的な説明会を開催するなど透明性のある対応を行っている。

さらに、騒音対策として新しい建物には防音構造が採用され、周辺環境への影響を最小限に抑える取り組みが進められている。


* * * * *

拡張工事の進展に伴い、サンディエゴ国際空港は地域社会と密接に連携しながら、今後の成長に対応するインフラを整えていく方針を打ち出している。

2028年の完成を目指し、拡張後の空港には新しい時代の玄関口として、地域経済の発展におけるサステナビリティ (持続可能性) に貢献する役割を果たすことが期待されている。

(2024年12月1日号掲載)