October 7, 2025

サンディエゴ大都市圏、全米で2番目に深刻なインフレ問題 最新調査で判明

10/6/2025

個人金融情報サイト「ウォレットハブ (WalletHub)」が9月26日に公表した調査によると、サンディエゴ–カールスバッド都市圏は全米23大都市圏の中で、2番目に深刻なインフレ問題を抱えていることが分かった。

▪️CPI上昇率が全国平均を上回る
同調査は労働統計局 (BLS) の消費者物価指数 (CPI) データを基に、直近月と2か月前、1年前を比較して短期・長期のインフレ傾向を分析したもの。その結果、サンディエゴ都市圏のCPIは2か月前比で0.8%上昇、前年同月比では4.0%上昇と、依然として高水準で推移している。
8月のサンディエゴ圏のインフレ率は前年比2.9%で、連邦準備制度理事会 (FRB) が目標とする2%を大きく上回った。FRBは2024年12月に設定した金利水準を維持するとしており、金融引き締めは当面続く見込みだ。

▪️要因と背景
調査報告書は「ウクライナ戦争、労働力不足、最近の関税」などが物価上昇圧力を強めている要因と指摘する。今年初め、サンディエゴ都市圏は一時「全米で最も深刻なインフレ地域」とされていたが、今回はフロリダ州タンパ・セントピーターズバーグ・クリアウォーター都市圏が首位に立ち、サンディエゴは2位に後退した。3位はペンシルベニア、ニュージャージー、デラウェア、メリーランドにまたがるフィラデルフィア–カムデン–ウィルミントン都市圏だった。

▪️サンディエゴ住民への影響
インフレ率2.9%は一見小幅に見えるが、生活コストの高いサンディエゴでは家計への負担感が大きい。住宅費、食料品、交通費など必需品の値上がりが重なり、特に中低所得層に深刻な影響を与えている。報告書は「地域経済の強さにもかかわらず、住民の生活感覚としては物価上昇の圧迫が続く」と指摘している。
ウォレットハブの最新調査により、サンディエゴ圏が依然として全国でも突出したインフレ圧力にさらされている実態が浮き彫りになった。FRBの利上げ維持や世界的要因を踏まえると、短期的な改善は見込みにくく、市民生活への影響が続くとみられる。


*原文は https://wallethub.com/edu/cities-inflation/107537