2024年5月1日
4月14日以来の登板となったパドレスのダルビッシュ有投手が、原点回帰で今季初勝利をつかんだ。
首の張りから回復し、5連敗中だったチームに白星をもたらした。
「連敗を止めたことが僕の中で一番うれしい」と、エースの風格を漂わせた。
登板日は試合直前までグラウンドに出ないが、この日は開始約3時間半前に表に出て、軽くキャッチボール。
日本ハム時代の調整を思い出して取り組み「(年齢を重ねるにつれ) エンジンが掛かるのも遅くなってきている。
余裕を持って準備すれば解消できると思った」と説明した。
マウンドでも円熟味が光った。
若い頃の自分を支え、最近は投球の割合が減っていたスライダーを「もう一度信じて投げてみよう」と多投。
3回2死二、三塁では強打のエリー・デラクルス内野手をその変化球で一ゴロに封じた。
プロ20年目の37歳が長い歩みを凝縮した投球で、日米通算200勝にあと3勝に迫った。
「あと3つ、4つと考えると途方もなく感じる。どうすれば、もっと巧くなれるかを考えながら、積み重ねていきたい」と殊勝に語った。
Q:首の状態は。
A:だいぶ良い。普通の先発の日だと思って、いつも通り打者を勉強して集中して入れた。
Q:好投の内容は。
A:制球も全体的に良かった。今日はやっぱり速いスライダー。元々すごく投げていた球だが、去年くらいから割合が落ちていた。もう一度信じて投げてみようと思った。
Q:3回のピンチで強打者デラクルスを封じた。
A: (1回は三振を奪ったが) 相手も自分の球を見て、2打席目で嫌な場面だった。とにかく、自信のある球を思い切り投げる、という気持ちで向かったのが良かった」
Q:日米通算197勝。
A: 勝利は5回を投げ、自分が勝っている状況で降りて、追い付かれずにチームが勝てば得られるという限定的なもの。何とも言えないが、チームが勝った証拠ではあるので、そういう意味では嬉しい」。
(2024年5月16日号掲載)