2024年3月4日
パドレスのダルビッシュ有投手は3月3日のマリナーズ戦に先発し、2点を失ったものの3回1/3で6三振を奪い、変化球の感触に手応えを口にした。
今季キャンプで改良中のスイーパーが「良いところに決まった」と、右打者から見て外に大きく曲がる球種で三振を量産した。
曲がり幅の大きい順にスイーパー、スライダー、カットボールを使い分けているが、今までより「曲がり出し」を相手に分かりにくくするよう試行錯誤しているという。
2回に喫した2点本塁打は、高く上がった打球が強風に乗ったもので気にしておらず「集中して打者に向かっていけた」と満足そう。
マリナーズベンチから見守ったイチロー氏からは「こっちを見て、手をたたいて『ナイスピッチング』と言っていただいた」と表情を崩した。
次回への課題には直球の質と、球速を上げることを挙げた。
「完璧を求めるのであれば (もっと) できることがあった」と慢心の気配はなかった。
昨年はワールド・ベースボール・クラシック (WBC) 日本代表の宮崎合宿に2月半ばから参加したため、例年通りの調整ができず、公式戦初登板は開幕から6試合目とやや出遅れた。
今年は慣れ親しんだアリゾナのキャンプ地で過ごし「ここで1か月、トレーニングできることは自分にとって大きい」。
シーズンに向け、きっちりと段階を踏んでいる自信が窺 (うかが) えた。
*Picture: © MLB / San Diego Padres
(2024年3月16日号掲載)