Saturday, 07 September 2024

ピッチクロック、時間制限強化 故障者増加? ダルビッシュも懸念

2024年4月12日

大リーグで昨季から導入された投球間時間制限ピッチクロック」が、投手故障増加させているとの懸念が強まっている。

昨年は大谷翔平選手 (現ドジャース) らが手術に踏み切り、今季もエース格の投手が次々に負傷。

選手会が「前例のない脅威」と声明を出す事態となった。


時間制限の影響は多くの投手が体感している。

昨年9月に右肘手術を受けた大谷選手は「短い時間で多くの仕事量をこなすので、間違いなく負担は増えている」ときっぱり。

パドレスのダルビッシュ有投手も「しんどいことはしんどい」と漏らした。


今季は走者がいる場面での制限が20秒から18秒短縮された。

まだ序盤ながら、昨季サイ・ヤング賞 (最優秀投手賞) に輝いたヤンキースのゲリットコール、2020年に同賞を受賞したガーディアンズのシェーンビーバー、昨季最多勝と最多奪三振のタイトルを獲得したブレーブスのスペンサーストライダーら大物投手が相次いで右肘を痛め、危機感が高まった。

選手会は、リーグが十分な検証を行わずに導入から1年でさらに短くしたことを厳しく批判している。


一方で、負傷が増えている要因は複合的との見方も。

通算257勝を誇るジャスティンバーランダー投手は、球速や回転数の上昇に触れ「全てが少しずつ影響している。

一番大きいのは投球スタイルが変わったこと」と強調した。


テクノロジーの発達を背景に投打のレベルは飛躍的に進化しており、大谷選手も「軽く投げていく状況が先発投手でも少ない」と話す。

最先端の理論を追求するダルビッシュ投手は「もっと栄養やケアに目を向けていかないといけない」と対応策を挙げた。


 

(2024年5月1日号掲載)