December 2, 2025

感謝祭後に呼吸器疾患増の恐れ ワクチン外の新型インフル拡大 CA州最新状況

11/26/2025

感謝祭 (11月27日) を挟んだ家族・友人の近距離の集まりなどで、カリフォルニア州の救急外来受診が増える可能性があると専門家が警告している。例年、休日シーズンは新型コロナ、季節性インフルエンザ、RSV (呼吸器合胞体ウイルス) の3疾患が同時に増えやすい。今年は特にインフルに新たな変異株が加わり、流行が深刻化する恐れがある。

▪️新変異H3N2サブクレードKワクチン株に含まれず
懸念されているのはA型インフルエンザH3N2の新変異「サブクレードK」。北米で広がっており、今年のワクチン作成後に見つかったため、ワクチン株に含まれていない。専門家によれば、サブクレードKは複数回の変異を重ね、H3N2の病原性をさらに強めた可能性がある。H3N2は元来重症化しやすい型とされ、新変異の拡大は「深刻な季節になるかもしれない」と指摘されている。

▪️症状は通常インフルと同様急激に悪化
症状は一般的なインフルと似ており、発熱、悪寒、筋肉痛、頭痛、強い倦怠感、鼻づまり・鼻水、咳などが中心である。特徴は発症が突然で、強い全身症状が一気に出る点だという。サブクレードKは日本、英国、カナダなど多くの国で優勢となり、北半球で早期かつ重い流行を起こしていると報じられている。

▪️CA州の最新データインフルとRSVは上向き
カリフォルニア州保健局 (CDPH) によると、州内の季節性インフル活動は上昇中で、特にベイエリアと南カリフォルニアで増えている。入院は現時点では低水準だが、今後増える見通しで、ワクチン接種、検査、早期治療の継続を推奨している。RSVも特に子どもを中心に増加傾向で、入院は低いものの上向く可能性がある。一方、COVID-19は州全体で非常に低い水準にとどまり、陽性率や救急外来受診、入院はいずれも最小レベルだとして、リスクの高い人を含め接種継続を勧めている。

▪️全米の状況と監視の空白
全米では急性呼吸器疾患の水準は低いが、フル活動は低めながら増加局面にある。CDCは米国のインフル主流がA型H3N2であるとしつつ、サブクレードKの広がりは政府機関閉鎖の影響で監視が十分でなく、実態把握には不確実性が残るとされる。

▪️基本予防は継続接種と体調管理
ワクチンはサブクレードKに完全一致しないものの、重症化予防には有効とされ、CDPHは接種を引き続き最重要の対策に位置付ける。年末年始に向け、体調不良時の外出回避、手洗い・換気など基本的感染対策を組み合わせ、3疾患同時流行の波に備えることが求められている。