12/6/2025
運輸保安局 (TSA) は、カリフォルニアの航空旅客で REAL ID をまだ取得していない人に対し、2026年2月1日から45ドルの手数料を課すと発表した。REAL ID 対応の身分証は今年5月から搭乗に必要とされているが、これまでは未取得者も追加の本人確認と警告を受けることで、搭乗が認められてきた。国土安全保障省 (DHS) によれば、既に乗客の94%が REAL ID を取得済みで、今回の手数料導入は残る未取得者に取得を促す狙いがあるとされる。
▪️REAL ID とは何か
REAL ID は2001年の同時多発テロ後に定められた強化基準を満たす、連邦準拠の州発行による運転免許証・身分証のこと。当初は2008年導入予定だったが、各州の準備遅れなどから何度も延期されてきた。今後、米国内線に18歳以上で搭乗する際、REAL ID か旅券など代替の公認身分証がない場合、通常のチェックインだけでは保安検査を通過できなくなる。
▪️REAL ID/有効身分証不携帯者の「Confirm.ID」手続き
来年2月1日以降、REAL ID も他の有効な身分証も持たない18歳以上の国内線利用者は、TSAの代替本人確認システム「Confirm.ID」を利用することになり、その際に45ドルの返金不可の手数料を支払う必要がある。TSAは料金を支払っても本人確認が必ず通るわけではなく、身元が確認できなければ搭乗を断られる可能性があると警告している。一方で、承認された場合、その確認は10日間有効で、その期間内の旅行に使える。手数料は事前にオンラインで支払うことができ、空港到着後にオンライン決済することも可能だが、手続きには最大30分を要するとされる。当初、TSAは18ドル案を示していたが、運用コストが想定より高いとして最終的に45ドルに引き上げられた。
▪️カリフォルニアでの取得方法と代替 ID
カリフォルニア州で REAL ID を取得するには、同州のチェックリストに沿って有効な旅券または出生証明書、公共料金の請求書や銀行明細など必要書類を準備し、オンライン申請フォームに入力・アップロードした上で、車両管理局 (DMV) のオフィスに書類原本と申請確認コードを持参して手続きを行う。旅券のほか、軍のIDカード、永住権カード、連邦公認部族の写真付きIDなども空港で認められる身分証であり、また、Apple Wallet、Google Wallet、Samsung Wallet を通じたデジタルIDも全米250以上の空港で利用可能となっている。REAL ID を取得していない旅行者は、今後、こうした代替IDを必ず携行するか、追加時間と45ドル負担を念頭に置いて空港に向かう必要がある。
*REAL ID の取得:https://www.dmv.ca.gov/portal/driver-licenses-identification-cards/real-id/
*Picture: © State of California