Saturday, 21 December 2024

『君たちはどう生きるか』 G グローブ賞 アニメ部門、アカデミー前哨戦


2024年1月8日

アカデミー賞の前哨戦と位置付けられる映画賞「第81回 ゴールデングローブ賞」の発表・授賞式が1月7日にビバリーヒルズで開かれ、宮崎駿 (みやざき・はやお) 監督の長編アニメ映画『君たちはどう生きるか』がアニメ映画賞を受賞した。

2007年に設けられた同賞を日本人監督作が受賞するのは初めて


3月のアカデミー賞ノミネートへの可能性に注目が集まる。

宮崎監督作では『千と千尋の神隠し』が2003年に同賞長編アニメ賞を獲得した。


宮崎監督は授賞式に姿を見せなかった。

『君たちはどう生きるか』を製作したスタジオジブリの鈴木敏夫 (すずき・としお) プロデューサーは「本当にうれしく思う」との談話を発表。

能登半島地震の被災地の痛ましい状況に触れて「少しでも笑顔を届けられたら」と述べた。


作品の舞台は戦時中の日本で、主人公は火災で母親を亡くした少年。

父親の再婚相手となる女性が行方不明となって捜す中、アオサギの案内で不思議な世界に迷い込むストーリーだ。


作曲賞には『君たちはどう生きるか』の音楽を手がけた作曲家の久石譲 (ひさいし・じょう) さんがノミネートされていたが、受賞は逃した。


作品賞は、ドラマ部門が原爆開発を主導した米物理学者の伝記映画『オッペンハイマー』、ミュージカル・コメディー部門はベネチア国際映画祭金獅子賞受賞作『哀れなるものたち』が受賞。

新設の「興行成績賞」はバービー人形が題材の「バービー」が獲得した。


マーティン・スコセッシ監督の『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』に出演した米先住民出身の俳優リリー・グラッドストーンさんは、ドラマ部門の主演女優賞に輝いた。

米映画誌によると、先住民出身の俳優がゴールデン・グローブ賞を手にするのは初めて。


アニメ映画賞には、新海誠 (しんかい・まこと) 監督の『すずめの戸締まり』と、日米合作の『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』もノミネートされていた。



*Picture:© Gil C / shutterstock.com



(2024年2月1日号掲載)