6/1/2024
2024年大統領選まで5か月。
共和党候補指名争いから3月6日に撤退したニッキー・ヘイリー元国連大使の支持者の票が、11月の本選でどの候補に流れるのか注目されている。
激戦が見込まれるペンシルベニア州では4月の共和党予備選で、投票総数の16.6%に当たる16万票近くをヘイリー氏が獲得。
トランプ前大統領でまとまり切れない党の現状が浮かんだ。
民主党のバイデン大統領の陣営は党派を超えた支持を呼びかけ、「トランプ氏に夢中になる国民より、国を愛する気持ちでつながる国民の方が多い」と秋波 (しゅうは) を送った。
AP通信によると、ペンシルベニア州の共和党予備選では、党候補指名が確定したトランプ氏が約79万2,000票。
ヘイリー氏は穏健派の割合が比較的高い都市部や郊外で根強い支持を受けて約15万8,000票と、前回の2020年大統領選の際に同州でトランプ氏がバイデン氏に敗れた票差約8万票の2倍近くに上る。
選挙専門家は、今回もトランプ氏とバイデン氏の接戦が予想される中で「無視できる数字ではない」と分析する。
ヘイリー氏は15州の予備選などが集中したスーパーチューズデーの直後に撤退を表明。
トランプ氏への支持を表明せず、X (旧ツイッター) での発信も減っている。
トランプ氏は4月に党候補指名争いから撤退したフロリダ州のロン・デサンティス知事と会談し、協力を確認した。
挙党態勢の構築を図るが、ヘイリー氏の支持者には議会襲撃事件などで起訴されたトランプ氏を嫌う穏健派が多い。
指名争いでトランプ氏がヘイリー氏を罵 (ののし) ってきたことも響いている。
(2024年6月16日号に掲載)