Sunday, 16 June 2024

ロシアのハッカー指導者起訴 連邦大陪審、120か国で被害

5/21/2024

ニュージャージー州の連邦大陪審は5月初旬、身代金要求型コンピューターウイルス「ランサムウエア (ransomware)」を使ったサイバー攻撃を繰り返したとして、ロシア拠点のハッカー集団「ロックビット (LockBit)」の指導者ドミトリー・ホロシェフ被告 (31) を起訴した。

米国のほか、日本や中国など120か国近くで被害が確認されたとしている。


被告はロシア国籍で、身柄は拘束されていない。

米政府は英国やオーストラリアと共同で被告を制裁対象に指定した。

財務省によると、ロックビットは2020年1月以降、世界でランサムウエアを使ったサイバー攻撃を2,500以上の企業や個人などを対象に繰り返し、計5億ドル (約770億円) 以上を騙 (だま) し取った。


起訴状によると、被告は2019年9月頃から今年5月頃までロックビットを管理し、ニュージャージー州を含む米国内や国外で企業や自治体、捜査当局などにサイバー攻撃を仕掛けたとされる。


国務省は被告の拘束につながる情報に最大で1,000万ドル (約15億5,000万円) の懸賞金を出すと発表した。

米英豪3か国は被告の資産を凍結し、渡航を禁止する。


英政府によると、昨年世界で起きたランサムウエアを使ったサイバー攻撃のうち25%がロックビットによるものだった。

英国では過去数年で200以上の企業が被害を受けた。

昨年、郵便事業を運営する英郵便事業社ロイヤル・メール (Royal Mail) のシステムがランサムウエアに感染し、一時、封書や小包の海外発送ができなくなった。

(2024年6月16日号に掲載)