交通事故 (2007.4.16)

 

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okazaki_new2.jpg 岡崎 道弘

カイロプラクター

ペパーダイン大学でビジネスを学んだ後、ロサンゼルス・カイロプラクティック大学を卒業。
その後、北カリフォルニアのサンマテオ市で4年半勤務医として多くの患者の治療に当たり、2004年3月に念願の治療院をサンディエゴに開業。

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交通事故
ここアメリカでは、毎年約200万人の方が不運にも交通事故の被害に遭っていると言われています。そして、事故後に適切な治療を受けることなく、そのまま放置してしまい、慢性的な体調不良を訴えてご来院される方があまりにも多数くいらっしゃることに驚きを隠せません。


むち打ち症

皆さんも「むち打ち症」という言葉を聞いたことがあると思います。英語では「Whiplash associated disorder」と言われていますが、その原因の最も代表的なものとして挙げられるのが交通事故なのです。そのメカニズムを後ろからの衝突を例に取って 説明します。

先ずは、後方からの急激な加速が身体を前方へと押し出します。ところが、頭の位置は一瞬その場に留まるために、頚部(首)の前側の筋肉や靭帯が急激に伸ば されることになります。そして、続いて起こるブレーキングによって、身体が一気に減速するので、今度は頭が前方に振られてしまい、首の後方の筋肉や靭帯、 そして椎間板などの柔軟組織が損傷してしまうのです。

一般的に、高速での衝突の方が車や怪我のダメージが大きいのですが、必ずしも「むち打ち症」と車のダメージが比例するとは限りません。5マイルのスピード で衝突した際に頚部への柔軟組織への損傷が確認された人体実験の結果も報告されている反面、10マイルのスピードで衝突しても物理的な車への損傷が全く見 られなかったという報告もあります。「衝突事故を起こしてしまったけれど、車へのダメージが全くなかったから身体も大丈夫」と早合点してしまうのは考えも のです。実際に、むち打ち症のほとんどの原因が6~12マイルのスピードで衝突した際に起こっているという最近のデータもあります。そして、事故後の慢性 的な体調不良を訴える方に、このような低速での事故に遭い、そのまま治療を受けずに放置したというケースが多いのです。


症 状

個人的な経験から言わせていただくと、低速での衝突にも拘らず、大きく症状が現れてきてしまう方の多くは、細身で普段から肩こりの激しい女性に多く見られ ます。それは、衝突時の衝撃を十分に吸収するための筋力がないと考えられます。そして、年配で、関節炎やヘルニアなどを既に患っていらっしゃる方も、こう した低速での事故後に重い症状が出てくることがよくあります。

一般的なむち打ち症の症状はに次のものがあります。首、肩、背中、腰への痛みやコリ、かすみ目、疲れ、めまい、頭痛、手足のしびれ、吐き気、のどの痛み、 耳鳴りなど、事故前には感じなかった症状が後日に発生したならば、できるだけ早く医師に診察してもらうことをお勧め致します。

当院にお越しになられた患者さんの中には、事故後、すぐに病院のエマージェンシールームに運ばれてレントゲンやMRIを撮ってもらい、「問題はありませ ん」とのことで帰宅し、処方された痛み止めと筋肉弛緩剤を服用し続けても、何日経っても痛みが引くどころか、ますます症状がひどくなってしまい、事故後、 全く熟睡できないという方もいらっしゃいました。そして、数回のカイロプラクティック治療で、初めて体調の改善を実感されたというケースも珍しくはありま せん。


治療法

カイロプラクテックでは、矯正により背骨の動きを早期に回復させ、その結果、脳からの正常な神経伝達を促進させることで、治癒能力を最大限に引き出すことが可能です。ですから、カイロプラクティックの矯正は、むち打ち症には最も有効な治療法の一つと言えます。

1989年にカナダ・ケベック州において、約3年間に亙り1万件以上の頚部への怪我に関する論文を調査した結果、「むち打ち症に対するあらゆる治療法の有効性は証明できず」との結論に至ったとしながらも、唯一、背骨の矯正は推薦できると報告しています。

どれだけ小さな事故であっても、以前に感じたことのない体調不良が発生してきた場合は、必ず検査をしてもらうことをお勧め致します。

余談になりますが、大きな事故に遭ったにも拘らず、ご本人の責任で事故を起こしてしまった場合に、「車の保険料が上がるので、治療は受けたくありません」 とおっしゃる方がいらっしゃいます。理解できないでもないですが、それでは、何のために保険に入っているのかと考えてしまいます。尚、相手の過失であって も、先方が保険に加入していないケースもここカリフォルニアではよく耳にしますので、法律で義務づけられている対人対物の自賠責保険に加えて、自分の医療 費もカバーしてくれる、通称「MED-PAY」と呼ばれるポリシーを購入されることをお勧めします。

(2007年4月16日号掲載)