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okazaki_new2.jpg 岡崎 道弘

カイロプラクター

ペパーダイン大学でビジネスを学んだ後、ロサンゼルス・カイロプラクティック大学を卒業。
その後、北カリフォルニアのサンマテオ市で4年半勤務医として多くの患者の治療に当たり、2004年3月に念願の治療院をサンディエゴに開業。

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妊婦とカイロプラクティック
「腰痛で診ていただきたいのですが、妊婦でもカイロプラクティックの治療は受けられますか」という質問 をよく受けます。「勿論、大丈夫ですよ」とお答えしています。むしろ、カイロプラクティックの治療は、お薬を服用する必要がないため、より安全で有効なの です。最近では、産科医がカイロプラクティックの効果を認識して、彼らの患者をカイロプラクターに送ることも珍しくはなくなってきました。

カイロプラクターとメディカルドクターの共同で行われた研究においても、カイロプラクティックの矯正治療を受けた75%の妊婦が症状の緩和を認め、少なくとも1件のケースでは、分娩の時間が短縮されたという結果が発表されています。


腰痛の原因

妊婦の約半数が妊娠中に腰痛に悩まされると言われていますが、その原因は、背骨のカーブの変化によるものです。理想の背骨のカーブは、真横から見ると弓上の形状をしています。首と腰が前方に、そして背中の部分が後方にカーブを描いています。

ところが、平均で25~30ポンドとも言われる体重が増えてその重みが背骨を支える腰にかかると、体の重心が前方へ移動してしまいます。そこで、妊婦さん はバランスを取ろうと背中を後ろに反らす姿勢を取りますが、その結果、腰の前方へのカーブがより大きくなってしまうのです。それが、背骨の関節や椎間板に 過剰な負担を与えて痛みが発生します。また、胎児の頭が母親の腰や臀部に向かって下方に位置していることが、坐骨神経を圧迫する結果となり、坐骨神経痛を 併発することもあります。特に、妊娠末期にこのような症状を訴える患者も稀(まれ)ではありません。

そうした胎児の成長に伴う身体への変化に対応するために、妊娠中に分泌されるホルモンが、骨盤の関節を固定している靭帯を柔らかくすることで、関節にか かってくる負担を軽減してくれるのですが、これが逆に関節の安定感を失わせる(骨がズレやすくなる)結果となり、姿勢の不均衡をもたらす原因となることも あるのです。


治療方法

このような妊娠に伴った腰痛に対するカイロプラクティックの治療としては、マッサージや温熱治療で硬くなった筋肉をほぐした後、過度にストレスのかかって いる関節を矯正することで、骨盤や腰椎のゆがみを取り除いていきます。さらに産後のケアとしての矯正治療は重要となります。産後約8週間で、妊娠中に柔ら かくなってしまった靭帯が硬くなってくるので、この時期に妊娠中にズレてしまった関節を矯正しておくことが、将来の筋肉痛や関節痛を予防するためにとても 大切だと言えるでしょう。


アドバイス

ACA(米国カイロプラクティック協会)が推奨する妊婦へのアドバイスを次にまとめてみました。

1. エクササイズ

最低でも週に3日は安全な運動をするように心がけましょう。運動前後には軽いストレッチを必ず行うようにしましょう。今までに運動の習慣がない方は、事前に必ず医師のアドバイスを受けるようにして下さい。
歩行、スイミング、固定式自転車こぎなどは、跳ねたり飛んだりする動きがないので、比較的安全に行える有酸素運動です。妊娠前よりジョギングの習慣のある方は、医師の指導の下に行うのであれば安全です。
転倒などの危険性が高い場所での運動は避けるようにしましょう。心拍数は毎分140ビート以下を保つようにし、負担の大きな運動は15分を超えない程度に留めましょう。
めまい、吐き気、目のかすみ、動悸、虚弱、多量発汗などの症状が現れたら、直ぐに運動をやめて、医師の指導を受けるようにします。
2. 健康と安全
ハイヒールは足元を不安定にするだけではなく、前方への体重移動を大きくするため、姿勢の不均衡を悪化させることになるので、できるだけスニーカーのような底のフラットな靴を履くように心がけましょう。
子供を抱いたり物を持ち上げる際は、腰ではなく、ひざを曲げて、しっかりと身体に近い位置で抱えて足の力で持ち上げましょう。また、できるだけ重いものを持つことは避けるようにしましょう。
十分に休息をとり、必要な時には些細なことでも迷わず助けを呼びましょう。疲れたら昼寝をし、両足を少し挙げた状態で横になるとよいでしょう。
3. エルゴノミックス(ベッドと机)
サイドポスチャー(肩を下にする)で横たわり、腰と両膝を軽く曲げ、膝の間に枕またはクッションを挟むと腰への負担が軽減されます。左肩を下にして横たわることで、血液の循環を良好にし、腎臓の働きを活性化させます。
机に長時間向かっていることが多い方は、「90度ルール」を守りましょう(椅子に深く腰掛け、両足を床に着けた時に両膝が90度であること。その状態で両腕を机に置いた際に、両肘が90度になる机の高さを保つこと)。30分ごとにオフィス内を軽く歩きましょう。
4. 栄養
4、5時間おきに少なめの食事かスナックを食べるようにすることで、吐き気や空腹を防ぎましょう。高蛋(たん)白低脂肪のヨーグルトやクラッカーは理想のスナックです。
最低400ミクログラムの葉酸を産前、妊娠中に摂取することで、先天的欠損症(Birth Defects)の危険性を低下させることができると言われています。どのようなサプリメントであっても、服用前に必ず医師に相談するようにしましょう。

(2007年2月16日号掲載)