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son_new8.jpg曽 碧光

米国中医薬研究所所長

1932年台湾に生まれる。
東京大学農芸化学修士、米国カンサス大学微生物学修士、東京大学薬学博士、 元米国コネチカット大学病理学助教授、
第1 回世界中西医結合大会審査委員、セント・エリザベス病院 (ボストン) 筋ジストロフィー主任研究員、ドライ・アイ眼科研究所生化学顧問、元米国漢方研究所所長、現米国中医薬研究所所長。


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黄連解毒湯
       

Q : 黄連解毒湯はどの疾患によく効くのでしょうか。

 


A : 黄連解毒湯で治療効果のある疾患を次に挙げて説明します。

① 咳・感冒 —— 黄連解毒湯は咳によく効きます。

感冒の引き始めに黄連解毒湯を葛根湯と一緒に使って、感冒を早く治す方法もよく知られています。

黄連解毒湯は黄連、黄芩、黄柏、梔子の4つの生薬から構成され、黄連、黄芩には抗ウイルス効果があるので、感冒ウイルスをいち早く体から排除する働きがあります。

黄連、黄芩、黄柏、梔子の4つの構成生薬すべてに抗バクテリア作用があるので、肺炎と喉の炎症を防ぐこともできます。

黄芩には炎症とアレルギー疾患に対する抑制効果のある化学成分が確認されています(J. Trad. Med. 12, 10-23, 1995)。

従って、黄連解毒湯は咳の漢方と同時に感冒の治療薬としてもよく使われています。

 

② アトピー性皮膚炎とにきび —— ステロイドや抗ヒスタミン剤の治療でよくならない、アトピー性皮膚炎患者が漢方療法を使用するケースが多くなりました。

漢方療法として、黄連解毒湯と総合皮膚湯の併用がよく使われています。

黄連解毒湯はアレルギー疾患を抑制する作用があるので、アレルギー反応の敏感度を下げ、アレルギー性皮膚炎を引き起こさないよう働きかけます。

また、黄連解毒湯は炎症を抑制する作用もあるので、皮膚をきれいにし、炎症を抑える効果のある総合皮膚湯と併用することによって、治療効果を更に倍増します。

にきびに黄連解毒湯がよく使われていますが、総合皮膚湯を併用した方が効果が上がります。

 

③ 目の充血と結膜炎 —— コンピューター使用による目の充血は黄連解毒湯がよく効きます。

また、黄連解毒湯は結膜炎の治療にもよく使われています。

 

④ 胃がん予防とピロリ菌除菌治療 —— 日本人の胃がん患者のほとんどがピロリ菌感染者であることが知られています。

日本の医療界ではピロリ菌の除菌治療として、副作用の少ない漢方治療に多くの研究がなされてきました。

その結果、ピロリ菌に対して黄連解毒湯が最も強い抗菌作用があることが分かりました(J. Med. Pharm. Soc. WAKAN-YAKU 7, 276-277, 1990)。

これらの研究が示しているように、黄連解毒湯はピロリ菌の除菌治療に使用できる漢方であると同時に、胃潰瘍や胃がん予防の漢方であると言えます。

 
(2013年10月1日号掲載)      

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