曽 碧光
米国中医薬研究所所長 1932年台湾に生まれる。東京大学農芸化学修士、米国カンサス大学微生物学修士、東京大学薬学博士、 元米国コネチカット大学病理学助教授、第1 回世界中西医結合大会審査委員、セント・エリザベス病院 (ボストン) 筋ジストロフィー主任研究員、ドライ・アイ眼科研究所生化学顧問、元米国漢方研究所所長、現米国中医薬研究所所長。 ご質問、ご連絡はこちらまで |
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高齢者によく起こる疾患 | |||
Q : 68歳の女性ですが、高齢者の集まりでは、高齢者に起こる疾患に対する漢方治療がよく話題になっています。 特に、涙液減少症、耳鳴り、嗅覚障害、口腔・咽頭乾燥症の漢方療法を皆が知りたがっているので、お教えいただけましたら大変有難く存じます。
A : 質問の各疾患について、次に簡単に述べます。 1. 涙液減少症
2. 耳鳴り 内耳の感覚細胞が退行変性する過程で、異常興奮が生ずるために起こると考えられています。高血圧や動脈硬化が関与している例も多くみられます。
3. 嗅覚障害 高齢者は免疫力低下による上気道感染症にかかっている人が多く、鼻腔の通気度が悪くなって、匂いの物質が神経末端に到達しないために嗅覚障害が起こると考えられています。
4. 口腔・咽頭乾燥症 高齢者の唾液分泌能低下によって起こる症状で、その結果、食物の可溶性物質が十分溶出せず、それが味蕾を刺激して生じる味覚も減退しがちで、食べ物が不味いとこぼす高齢者が多いのは、このためです。
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(2011年11月1日号掲載) |