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yoshihara face吉原 今日子

米国カリフォルニア州弁護士

USDにて経営学修士(MBA)を取得。
その後、法学博士(JD)を取得。

会社の経営、組織体系、人材の重要性を常に念頭に置いた法的アドバイスを行います。カリフォルニア州弁護士会、
米国移民法弁護士会所属。

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H-3ビザ

       

 

Q 私は現在、ある日本の出版社で編集の仕事をしています。

 

「J-1ビザ」 でアメリカに1年半ほど行こうと思っています。

 

「J-1ビザ」を使った後、さらに「H-3ビザ」 を使うこともできますか。

 

 

 

 

A「H-3ビザ」 は米国においての研修を目的としたビザです。

 

申請は米国にある雇用主によって、移民局を通して行われます。このビザはH-1のように、学士号あるいはそれと同等の経験を保持していることを証明する必要はありません。

 

ただし、雇用主は次のことを証明しなければなりません。 

 

 

  1. その研修が、母国では得られないということ(言い換えると日本にない技術の修得であること) 
  2. 米国内で受けた研修が、米国以外においてその職種を遂行するのに役立つものであること 
  3. 研修生を雇うことが、米国人労働者に取って代わるものではないこと 
  4. その研修は、あくまでも研修生をトレーニングするものであり、生産性を伴うものではないということ 

 

 

 

また、その研修プログラムは、すでに確立されたものであることを示す必要があり、研修の構成、詳細、研修期間、報酬、なぜその研修は母国ではなく、米国にて行われなければならないかということを明確にする必要があります。 

 

 

例えば、建築に関してハンディキャップの人のためのスロープやエレベーターのデザインなど、日本における建築物に見られず、日本では学ぶことのできない技術を修得するプログラムが典型的な例として挙げられます。 

 

 

移民局によって、研修を受ける者がすでにその研修分野における知識を十分に有していると判断された場合や、研修で身に付けたことが米国外においては不必要であると判断された場合、また雇用主が研修後、その研修生を米国内にて雇う目的で研修を行うと判断された場合、そしてその研修が単に米国での滞在期間を延長する目的であると判断された場合等は、「H-3ビザ」の申請は却下されます。 

 

 

 

 

申請で細かくチェックされること

 

 

「H-3ビザ」 の申請では、具体的に以下の内容を事細かに問われることがしばしばあります。 

 

 

  1. トレーニングの種類、およびどのような形で監督が行われるのか。また、トレーニング・プログラムの構成 
  2. 上記のトレーニング・プログラムの時間配分、および生産性のある就労に従事する時間 
  3. クラスルームにおいてトレーニングを受ける具体的な時間数、および実際の職場においてトレーニングを受ける具体的な時間数 
  4. 当該トレーニングを受けるに当たって、母国において準備してきた内容 
  5. トレーニングが母国で受けられない理由、および当該トレーニングを米国で受けなければならない理由 
  6. トレーニングを受ける者が得る報酬、および会社がトレーニングを行うことによって受ける利益の説明 

 

 

 

また、トレーニング内容が次のような場合は、申請却下の対象となります。 

 

 

  1. スケジュールが一般的で、目的や評価の手段が備えられていない場合 
  2. トレーニングを行う会社と関連性が薄い場合
  3. 内容が、トレーニングを受ける者がすでに修得しているであろう技術についてである場合
  4. 将来的にその会社における雇用を考えているであろうと考えられる場合
  5. トレーニングを行うのに十分な施設や監督者などがないような場合 
  6. プラクティカルトレーニングの期間を延ばすために行われているであろうと考えられる場合

 

 

 

 

申請で注意したいこと

 

 

「H-3ビザ」 は最長で2年間まで取得することができ、また、「H-3ビザ」 保持者の配偶者と21歳未満の子供は「H-4ビザ」 を取得して米国に滞在できます。 

 

 

「H-3ビザ」 の申請は、以前に比べて極めて厳しくなっていますので、申請するか否かを決める際に、その条件をよく吟味する必要があります。

 

あなたの場合、最も重要なことは、スポンサーとなる会社でのトレーニングの内容が、日本では学ぶことができないものであるということを証明することです。 

 

 

また、OPT終了後や「J-1ビザ」終了後に「H-3ビザ」を申請しようとした場合、明確な理由を要求され、厳しい審査の対象となる可能性があります。

 

従って、いずれの場合であっても、トレーニングの内容を前記の条件と照らし合わせて、よく吟味して申請することをお勧めします。

 

 

この記事は、参考として一般的な概要をお伝えすることを目的としたものです。各ケースのアドバイスは必ず弁護士及び専門機関にご相談下さい。

(2015年8月16日号掲載)

     

 

 

 

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