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吉原 今日子

yoshihara face米国カリフォルニア州弁護士

USDにて経営学修士(MBA)を取得。
その後、法学博士(JD)を取得。

会社の経営、組織体系、人材の重要性を常に念頭に置いた法的アドバイスを行います。カリフォルニア州弁護士会、米国移民法弁護士会所属。

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永住権申請と飲酒とその他の犯罪歴

       

 

 

Q 現在、グリーンカード申請中ですが、2回目の飲酒運転で逮捕されてしまいました。

 

 

1回目飲酒運転での逮捕後のプロベーション中に、2回目の飲酒での逮捕をされました。

 

 

グリーンカード申請を却下されることはありますか?

 

 

私は強制送還されてしまうのでしょうか?

 

 

他に、グリーンカード申請を却下される犯罪要因にはどんなものがありますか。

 

 

 

 

 

 

 

 

A 飲酒運転で逮捕されたこと自体が直接的にグリーンカードの却下につながるわけではありません。

 

 

犯罪には、強制送還の対象となる犯罪 (Crime subject to Deportation) と、強制送還の対象とならない犯罪があります。

 

 

強制送還されてしまうと、再びアメリカには戻ることができません。

 

 

 

 

強制送還の対象となる犯罪は、すべての重犯罪 (Felony)、および一部の軽犯罪 (Misdemeanor) がそれに当たります。

 

 

軽犯罪の中で強制送還の対象となるものは Domestic Violence と道徳に反する犯罪 (Crime Involving Moral Turpitude) の2つです。

 

 

Domestic Vciolence とは、夫婦 (離婚した後の前の夫・妻を含む) 間、あるいは恋人間の暴力行為を言います。

 

 

また、道徳に反する犯罪 (Crime Invoiving Moral Turpitude) が何であるか、法律上、道徳に反する犯罪のすべてが記載されているわけではありません。

 

 

しかし、条例で道徳に反する犯罪と判断された犯罪の中には、麻薬に関する犯罪 (Controlled Substances)、詐欺 (Fraud)、窃盗 (Theft)、および暴力に関する犯罪 (Crime of Violence) 等が含まれています。

 

 

 

 

飲酒運転は強制送還の対象になる犯罪にはまれません。

 

 

ただし、飲酒運転であっても4回行うと重犯罪 (Felony) となります。

 

 

飲酒運転は捕まってから10年以内 (以前は7年間でしたが、2005年1月1日より10年に変更されました) に行うとそれが加算されます。

 

 

ここで注意しないといけないのは、加算された時から10年以内に捕まると、前回の分も追加されて加算されるということです。

 

 

 

例えば、1回目に飲酒運転で捕まった後、9年後に再び捕まると、それは2回目となり、その時から数えて、9年後に捕まった場合は (1回目と3回目の間は18年間ありますが)、3回目として計算されるということです。

 

 

すなわち、飲酒運転で捕まらない期間が10年間ない限り、回数が加算され続けていきます。

 

 

 

 

従って、この計算方法により、合計4回の飲酒運転になると、強制送還の対象となるということです。

 

 

ですから、あなたの場合、3回目の飲酒運転の後10年以内に4回目の飲酒運転をしてしまうと、強制送還の対象になってしまいます。

 

 

 

ただし、飲酒運転が強制送還の対象となる犯罪に含まれないからといって、あなたの場合、全く問題にならないというわけではありません。

 

 

グリーンカードの手続きの中でアメリカにて最後の申請 (I-485) を行った場合は、指紋を採られますので、あなたの逮捕記録は出てきます。

 

 

また、日本でインタビューを行うことを選んだ場合 (Consular Processing) であっても、最後の日本のアメリカ大使館でのインタビューの際に記録は出てきます。

 

 

 

 

その際、如何なる軽犯罪の記録が出てきた場合であっても、それを問題とする場合がほとんどであり、その犯罪がどの種のものであったかを証明するのは申請者側の責任としています。

 

 

従って、あなたの犯罪記録が飲酒運転であり、その他の犯罪ではないことを証明しなければいけないということです。

 

 

あなた自身がこれを立証する義務がありますので、飲酒運転を処理した裁判所からの書類、Police Report、Complaint、Minutes (Probation) Order、Docket Reports 等を入手しておかれることを強くお勧めします。

 

 

Docket Reports はあなたが最終判決の条件として与えられた内容(アルコールスクール、罰金の支払い等)を全て遂行したことの証明となるので特に大切です。

 

 

あなたがすでに罰則を償ったという証明がとても重要になるということです。

 

 

あなたが判決を受けた裁判所に行けば入手できますので、そこで Docket Reports の Certified Copy の発行を依頼してください。

 

 

 

 

これらの書類は、アメリカにて最後の申請 (I-485) を行う場合は I-485 の提出時に一緒に提出してください。

 

 

また、アメリカの移民局にインタビューに呼ばれた場合も、この Certifed Copy  を持参してください。

 

 

日本でインタビューを行うことを選んだ場合 (Consular Processing) は、これらの書類を日本のアメリカ大使館でのインタビューの際に持参してください。

 

 

 

 

また、仮に飲酒運転以外、例えば上述した強制送還の対象となる犯罪を犯した場合であっても、犯罪の程度によっては Waiver を申請することにより、グリーンカードを取得できる可能性もあります。

 

 

この場合における最終的な判断は移民局、あるいはアメリカ大使館において担当した審査官が行うことになります。

 

 

 

 

あなたの場合は、2回目であるからといって、それだけでグリーンカードを却下されることはありません。

 

 

しかし、審査の中で問題視されることは避けられません。

 

 

罪を償ったということを立証できるように、科せられた刑罰を全うしてください。

 

 

犯罪を犯してしまった事実を隠すことはできませんので、正直に移民弁護士に話し、移民局にも報告を怠らないようにしてください。

 

 

また、必要とされている Certifed された Docket Report を I-485 申請時、インタビューの時には必ず持参してください。

 

 

 

この記事は、参考として一般的な概要をお伝えすることを目的としたものです。各ケースのアドバイスは必ず弁護士及び専門機関にご相談下さい。

(2014年4月16日号掲載)

     

 

 

 

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