Wednesday, 22 May 2024

条件削除 Removal of Condition (2012.12.16)

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吉原 今日子

yoshihara face米国カリフォルニア州弁護士

USDにて経営学修士(MBA)を取得。
その後、法学博士(JD)を取得。

会社の経営、組織体系、人材の重要性を常に念頭に置いた法的アドバイスを行います。カリフォルニア州弁護士会、米国移民法弁護士会所属。

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条件削除
Removal of Condition

Q 私はアメリカ人との結婚でグリーンカードを取得しました。

現在、離婚を検討中です。

私が持っているグリーンカードは有効期限が2年間という条件が付いていて、あと残り2か月で期限を迎えてしまいます。

この条件の解除を申請し、10 年間有効のグリーンカードに書き換えたいのですが、切り替えの際に夫が協力してくれないかもしれません。

何か方法はありますか?

 

A アメリカ市民との結婚を通してグリーンカードを取得した場合、最初は2年間有効の条件付きグリーンカードが発行されます。

この条件付きグリーンカードが失効する90日前から有効期限までの間に、条件の解除 (Removal of Condition) の申請を行わなければなりません。

条件の解除には 「Form I-751」 という申請書を使用します。

そこには、一般的に申請者とその配偶者、両方のサインが必要であるとされています。

現在、この申請が大変難しくなっている傾向があります。

結婚による永住権申請の際、移民局での面接で、結婚、あるいは交際していた時の2人の写真、共同名義の銀行口座、健康保険、自動車保険、生命保険、(同居していた時に送られてきた2人の名前の入った) 郵便物を見せる必要があります。

現在、多くのケースで、条件解除の際、結婚の時に提出した Account 等が今でも Activeなのかを問われます。

結婚の時には持っていた、結婚している証明が出せない場合は、面接に呼ばれ、面接で証明できない場合は、審査官が自宅に来る場合もあります。

なお、アメリカ市民の配偶者の協力が得られない、あるいはアメリカ市民の配偶者が死亡しているといった場合には「Self Petition」という形で、申請者のみのサインで申請する方法があります。

この Self Petition は、通常と同様に条件付きグリーンカードが失効する90日前から申請できるほか、有効期限を過ぎていても、アメリカを出国していない限り、申請を行うことができます。

仮に、強制送還の手続きが開始されていても、その強制送還手続きの最終判断が下されるまでの間は、この条件解除の申請手続きを継続できます。

また、このような場合、移民裁判官の判断により、強制送還の手続き延期を行うこともできます。

 

「Self Petition」 の種類とその証明方法

Self Petition には、以下の3通りの方法があります。

① Extreme Hardship Ground

これは、条件解除の申請者がアメリカを離れることによって、申請者に過度に困難な状況を引き起こすことになる場合です。

これを立証することにより Self Petition が認められることになります。

この「過度に困難な状況」は、経済的な理由や家族との離別などの理由だけでは十分と認められないのが一般的です。

もちろん、理由の1つとしては認められますが、それだけで十分な理由にはならないということです。

例えば、申請者が事業を行っており、申請者がアメリカ国外に退去させられることにより、多くの解雇者が出ることになる場合などは、条件解除が認められる良い理由となります。

 

② Good Faith Ground

これは、アメリカ市民との結婚には正当な理由 (グリーンカード取得が目的では一切なかったということ) がありながら、結婚後に別居しなければならない事由が生じた場合です。

移民局は、2人の婚姻関係がいかに強いものであったか否かを問うことになります。

なお、この場合、条件解除の申請時に離婚、あるいは婚姻の無効 (Annulment) が成立している必要はありません。

しかし、少なくともその手続きが家庭裁判所において開始されている必要があります。

また、条件解除が認められるためには、一般的には離婚、あるいは婚姻の無効が成立している必要があります。

 

③ Battered Spouse or Child Ground

これは、アメリカ市民の配偶者が、申請者、あるいは申請者の子供に対して暴力を振るった事実がある場合です。

この場合は、警察やカウンセラーからのレポートなどがその重要な証拠になります。

あなたの場合、アメリカ市民の配偶者から暴力を振るわれていなければ、前記の Good Faith Ground が当てはまると考えられます。

従って、あなたの結婚が正当な理由で行われ、結婚後に別居しなければならない事由が生じたことを証明する必要があります。

この証明には、結婚、あるいは交際していた時の2人の写真、共同名義の銀行口座、健康保険、自動車保険、生命保険、(同居していた時に送られてきた2人の名前の入った) 郵便物、(結婚前後の) ラブレターやカード、(結婚前に頻繁に連絡を取っていたことを示す)  電話の請求書等を提出するのが良いでしょう。

また、2人の事情を知っている人からの宣誓書、カウンセラーからのレポートなども有力な証拠になります。

この方法により条件解除を行うためには、移民局の厳しい審査を通過しなけばならないので、できる限り多くの有力な証拠を集めることをお勧めします。

 

この記事は、参考として一般的な概要をお伝えすることを目的としたものです。各ケースのアドバイスは必ず弁護士及び専門機関にご相談下さい。

(2012年12月16日号掲載)

 

 

 

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