曽 碧光
米国中医薬研究所所長
1932年台湾に生まれる。
東京大学農芸化学修士、米国カンサス大学微生物学修士、東京大学薬学博士、 元米国コネチカット大学病理学助教授、第1 回世界中西医結合大会審査委員、セント・エリザベス病院 (ボストン) 筋ジストロフィー主任研究員、ドライ・アイ眼科研究所生化学顧問、元米国漢方研究所所長、現米国中医薬研究所所長。
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肝炎の漢方療法 | |||
Q : 私は50歳の男性です。最近の血液検査でGOTとGPTの数値が高いので肝炎と診断されました。 肝炎は肝硬変に移行して肝がんになることが多いので、早く治療するようにと医者に言われていましたが、肝炎治療に良い西洋薬がないので、肝炎の漢方治療がありましたら、お教えください。
肝炎の西洋医学的治療ではインターフェロンが使われていますが、効果があまり良くない上に、強い副作用として、ノイローゼになって自殺行為を起こしやすくなります。 厚生労働省の発表では、インターフェロン治療によって32人の自殺者が出ています。
難治の慢性肝炎、特にB型肝炎や非A非B型肝炎などのウイルス性肝炎に小柴胡湯が顕著な効果を上げています(Kan Tan Sui 25, 551-558 1992)。 小柴胡湯は慢性肝炎治療にとって重要な免疫賦活効果、免疫調節作用、抗炎症作用、細胞膜安定作用、インターフェロン誘起作用などがあることが知られています(Immune System And Chinese Herbs, Chapter 9, 1989)。
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(2015年2月1日号掲載) |