10/30/2024
ハワイ州の真珠湾にある博物館「戦艦ミズーリ記念館」は10月初旬、「寄せ書き日の丸」と呼ばれる日章旗3枚を、日章旗の返還に取り組む、オレゴン州を中心に活動を続けている非営利団体 (NPO) 「オボン ソサエティ (OBON Society)/拠点:オレゴン州アストリア」に引き渡した。
日章旗は第2次大戦の出征者に贈られたとみられるが、持ち主は不明。
同NPOが特定を進め、遺族らへの返還を目指す。
日章旗には、日の丸上に「祈・武運長久(ぶうんちょうきゅう) 」や「忠勇」などと大きく書かれ、白地に氏名やメッセージが並ぶ。
「黒岩泉君」と所有者とみられる人物の名前が読み取れる旗もある。
記念館が入る戦艦ミズーリの元乗組員らが1999年以降に同館へ寄贈し、保管されていた。
記念館で開かれた式典でNPO共同設立者のレックス・ジークさんは、米国人が戦地などから持ち帰った寄せ書きの持ち主側への返還は、日米の「友情のシンボル」になると訴えた。
同NPOのホームページには「世代や国家を超えて和解と平和を生み出す」ことを目標とし、「寄せ書きの日の丸の返還を通じて、家族や国家館の和解、友情、平和の実証」を理念に掲げている。
オボン ソサエティは日章旗に書かれた内容を手掛かりに持ち主を特定し、これまでに500枚以上が持ち主の遺族らに届けられた。
*写真は「オボン ソサエティ」に引き渡された日章旗 (ハワイ州の真珠湾)(共同)
*Picture:© Stillgravity / shutterstock.com
(2024年11月16日号掲載)