10/31/2024
国連軍縮担当上級代表の中満泉 (なかみつ・いずみ) 事務次長は、日本原水爆被害者団体協議会 (被団協) がノーベル平和賞に決定したことを受け、国連本部で記者会見した。
核の悲惨さを「世界の人々と分かち合うことを決意した」と、長年の被爆者の証言活動に敬意を表し「被爆者が制定に協力した核兵器禁止条約の推進にも追い風となる」と歓迎した。
核兵器使用は道徳的に許されないという授賞理由にもなった「核のタブー」は「国連の最優先事項の一つだ」と強調。
ウクライナ侵攻やパレスチナ自治区ガザの戦闘を意識し「核兵器が使用される危険性は、現時点では容認できないほど高い。
リスクをなくすためには、核兵器を根絶する以外にない」と訴えた。
禁止条約に参加していない日本政府に対し、来年3月にニューヨークで開かれる第3回締約国会議にオブザーバーとしての参加を期待した。
日本との戦争を終わらせる手段として、米国による原爆投下を正当化する一部意見に対しては、「被団協の活動は平和と和解に焦点を当て、被爆者をもう二度と生み出さないようにするためだ」と述べた。
また、国連のアントニオ・グテーレス事務総長も声明を発表し、被団協へのノーベル平和賞授与決定を祝福。
「国連は誇りを持って被爆者と共に立つ」と述べ、核廃絶を訴えた。
「不屈の精神は世界的な核軍縮運動の原動力だ」と評価した。
(2024年11月16日号掲載)