Thursday, 21 November 2024

米政府、台湾「独立支持せず」 頼清徳氏当選で対中配慮 

2024年1月14日

台湾総統選で中国が独立派と見なす民主進歩党 (民進党) の 頼清徳 (らい・せいとく) 氏が当選したことを受け、バイデン大統領は1月13日「私たちは独立を支持しない」と記者団に発言した。

米中関係安定化に配慮したとみられる。

一方、中国政府は同日、頼氏当選に反発し「台湾は中国の一部」として統一を目指す立場を改めて
強調した。

習近平 (しゅう・きんぺい) 指導部は外交や軍事、経済の分野で民進党政権に圧力をかけ続ける構えだ。


また、在日中国大使館は14日、上川陽子 (かみかわ・ようこ) 外相が頼氏に祝意を示したことに「強烈な不満と断固とした反対」を表明した。


中国外務省は頼氏当選に対して、中国と台湾は不可分だとする「一つの中国」原則を改めて主張し「台湾独立には反対する」と牽 (けん) 制。

「台湾問題は中国の内政だ」と指摘し、国家統一は「正義」だと強調した。


中国政府で台湾政策を担う台湾事務弁公室も「民進党は台湾の主流な民意を代表しているわけではない」と不満を表明。

台湾との関係を強める米国を念頭に「外部勢力の干渉には断固として反対する」とも表明した。


習国家主席は「祖国統一は歴史的必然だ」として台湾統一を目指している。

軍事演習の実施や貿易優遇措置の一部停止などで民進党に圧力を加えてきた。


 一方、米政府は台湾について、独立でも統一でもない現状維持が望ましいとの立場だ。


台湾総統選は対中政策が争点となり、現職の台湾副総統である頼氏が、対中融和路線の最大野党、国民党の候補らを破って当選した。



(2024年2月1日号掲載)