5/22/2024
2024年大統領選で共和党候補指名が確実なトランプ前大統領は5月初旬、フロリダ州の私邸で開いた会合で、バイデン民主党政権をナチス・ドイツの秘密国家警察に準 (なぞら) えて「ゲシュタポ政権」と発言した。
自身への起訴は政治的な動機によるものだと改めて批判した。
非公開会合の録音をニューヨーク・タイムズ紙が入手して報じた。
ユダヤ系人権団体はゲシュタポと政権の対比を「侮辱的で嘆かわしい」と反発した。
トランプ氏は中南米からの不法移民が米国の「血を汚している」と発言したことがあり、バイデン陣営はユダヤ人を迫害したナチスが使用した言葉を想起させると非難していた。
トランプ氏は会合で、議会襲撃事件の捜査を担当している司法省の
ジャック・スミス特別検察官の外見を揶揄 (やゆ) し「もてない野郎だ」と罵 (ののし) った。
一方、バイデン政権は反ユダヤ主義への対抗施策を発表。
パレスチナ自治区ガザ情勢をめぐる学生デモで暴力や憎悪の事例があると指摘。
取り組みとして、反ユダヤ主義の証明を示す手引を全米の大学に発出した。
オンラインでの反ユダヤ主義コンテンツに関し、IT企業に情報提供して規制強化に役立てる。
バイデン大統領はワシントンのホロコースト記念博物館 (US Holocaust Memorial Museum) で演説し、取り組みを訴えた。
(2024年6月16日号に掲載)