2024年6月15日
米連邦最高裁は6月14日、銃に取り付けて連射可能にする特殊装置「バンプ・ストック (bump stocks)」の使用や所持を禁止したトランプ前政権の措置について、連邦法から逸脱しているとして無効と判断した。
装置の使用が銃暴力の犠牲者増加を招いており、銃規制団体が反発している。
銃規制の是非は11月の大統領選で争点の一つ。
判事9人のうち保守派6人による多数派意見だった。
銃規制を推進する民主党のバイデン大統領陣営は、共和党のトランプ前政権下で保守化した最高裁が「子供の安全よりも銃ロビーを
重視した」と批判した。
銃規制団体ブレイディ・キャンペーン (Brady Campaign) も「破滅的な判断だ。米社会に戦争のための武器が出回るようなことがあってはならない」と非難した。
バンプ・ストックは半自動式の銃に取り付けて、全自動式の銃と同様の連射を可能にする装置で、銃弾を発射する際の反動を利用する。
テキサス州の銃販売店主が使用禁止の無効を求めて提訴していた。
前政権はバンプ・ストックを「マシンガン」の定義に含めると規定を改め、所有者は破壊するか当局に持ち込まなければならないとした。
保守派のクラレンス・トーマス判事は「バンプ・ストックを装着した半自動小銃はマシンガンではないと結論づけた」とした。
トランプ前大統領は銃所有の権利を擁護しているが、2017年にラスベガスで60人が死亡した米史上最悪の銃乱射事件で容疑者 (死亡) がバンプ・ストックを使用し、規制を求める声が強まったことなどを受け、2019年3月に禁止した。
(2024年7月1日号掲載)