ゆうゆうインタビュー 三浦邦昭

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今年1 月に開催された脳科学のシンポジウムで、東北大学の川島隆太教授の研究が注目を集めました。研究テーマは脳を活性化させる新たな学習理論で、5 年前からfMRI やPET を利用して人間の脳活動を調査分析した結果、「音読」と「単純計算」により脳全体が活発に活動することを発見したというのです。特に、コミュニケーショ
ンや意志決定、他者の理解などに関わる前頭前野と呼ばれる領域が「音読」と「単純計算」により活発化すると発表しました。今回は、当地サンディエゴで右脳の活性化に重点を置いた教育を行っているミウラ・エデュケーション・センターの代表、三浦邦昭さんにお話を伺いました。


現在の活動について教えて下さい。

2004 年6 月にミウラ・エデュケーション・センターを設立し、以来一貫して「右脳開発」と「地域社会への貢献」をテーマに活動しています。「右脳開発」としては、胎教から乳幼児を対象とした教室、ひらがなが読めるお子さんを対象とした日本語音読教室、5 才以上を対象としたそろばん&暗算教室を開講しています。「地域社会への貢献」としては、日本文化を紹介する演奏会の後援、シニア向け右脳開発、そろばんのボランティア、古賀三朗先生の彫刻教室などがあります。


—— 右脳と左脳の関係についてご紹介下さい。
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白銀の世界にシュプールを描く( 苗場スキー場 / 新潟、1976 年2 月)
 

右脳はイメージ脳、左脳は言語脳と呼ばれ、右脳はイメージで、左脳は言語で思考が進みます。胎児~3 才は右脳のイメージによる高速大量情報処理によって人生で最も目覚ましい発達を遂げます。母親とのコミュニケーションもテレパシーで行われます。3 才を過ぎると言語を媒体とした左脳が働き出し、論理的に理解、判断する能力が発達してきます。成人ではほとんど左脳中心に脳が働くようになります。近年、特に進歩が著しい学問に脳科学がありますが、以前は全くの謎だった脳について、最近はかなり細かいところまで解明されてきました。


—— 右脳教育の必要性についてお話し下さい。

右脳には、共振共鳴機能、イメージ化機能、高速大量記憶機能、高速自動処理機能という重要な4 つの機能があります。この中で人間にとって一番大切なのは共振共鳴機能、いわゆる「思いやり」です。これが近年弱まってきて、世界中でいろいろな問題を引き起こしています。また右脳を鍛えることにより、直感力、絶対音感、コンピュータ能力、語学学習能力、ヒーリング能力などを高めることができ、その結果、集中力、記憶力が増し、想像力やひらめきに富んだ豊かな人生を歩むことができます。人間が生まれながらにして保有しているこれらの優れた能力を、常に保持できるようにすることが右脳教育の最重要課題で、最終的には右脳と左脳がバランスよく働く全脳教育による世界平和を目指しています。


—— 右脳を鍛えるお勧めの学習法とは。
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地元の混声合唱団に加わりコーラスを楽しむ。右から2 人目( 茨城、1987 年6 月)


右脳教育の柱はイメージ力と完全記憶です。イメージの中で遊ぶトレーニングをすると、創造性、自発性、集中力、感受性が高まって右脳が活性化してきます。フラッシュカードも右脳の活性化に役立ちます。活性化したところで暗唱に取り組むと簡単に覚えられます。暗唱には、人生を支える美しさや道徳などについて書かれた名文、リズムの良い俳句、詩などを選びます。耳から入力して口で言えるようになったら加速学習に入り、倍速、4 倍速などを聞き取り、繰り返して言えるようになると完全記憶となります。親子で取り組むのがポイントで、親が楽しんで続けていれば必ず子供も乗ってきます。


—— 暗記力と理解力の関係は。

フランスの小学校では低学年の子供たちに国民的文学の『最後の授業』や『スガンさんのやぎ』、高学年ではモーパッサンの作品を暗唱させます。ドイツでは家庭で50 ほどの物語を暗記させます。ユダヤ人の子供たちは聖書やトーラを暗唱します。何かを記憶する意義は、その記憶の定着度に応じて、その記憶力が人間の思考の道具となることです。

右脳は入力された情報間に法則を見つけて自由に使いこなすことが可能で、完全に記憶することができれば、理屈は左脳の発展と共に付いてきます。例えば、英語のテープを1 日10 分、毎日繰り返し聞かせておくと自然に発音が身に付きます。そして、言葉が無意識の深いところに入れば、文法を教えてなくても言葉を正しく使えるようになります。理解を求めず、大量に暗記させて記憶の回路を作ると、脳の質を変えることができるのです。

日本でもかつて素読が教育の基礎として重視されていました。しかし、戦後になって「 理解して記憶する」方針に転換したのです。しかし、理解させるだけでは子供の能力は伸びません。特に、理解力の弱い子は置き去りにされてしまいます。事実、子供は「理解せず、丸暗記するのが得意」なのです。暗記を大切にした教育、完全に覚えさせる練習をしていくと、子供の頭の質が変わり、理解の質も変わるのです。理解力、思考力を伸ばすには、先ず記憶力を鍛えることが最も確実な方法なのです。


—— そろばんと右脳開発の関係とは。
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会社の運動会で応援団としてエールを送る( 日立東海工場/ 茨城、1988 年10 月)


そろばんは数字をイメージ化して読み取り、それを親指と人差し指とを用いてそろばん上に答えを出すという作業を行います。これは右脳と左脳の連携プレイを必要とし、脳の活性化に大いに役立ちます。そろばんを始めるのに最も適した年齢は4 才半~ 6 才ですが、1 ~10 までの数の概念が分かるようになれば、イメージで数遊びをすることにより、そろばんの世界に入っていけます。年齢が上がるにつれて、数字をイメージ化するのに時間がかかりますが、一旦、数字をイメージ化する手法を身に付ければ一生忘れることはありません。ですから、大人にとっても暗算( 中国では心算) は、珠のイメージによる瞬時計算という手法により、右脳を開発して一生使い続けるのに極めて有効です。


—— 英語と脳力の関係は。

日本人の聴覚には「音の壁」があり、その壁を崩していくと語学は飛躍的にレベルアップすると言われています。当センターでは2005 年1 月に茅ヶ崎方式英語学習法を導入し、元NHK 国際ラジオ放送記者が毎週書き下ろニュースを題材に、楽しく英語を勉強できる機会を提供しています。全ての教材が「国際英語基本4,000 語」を中心に作成され、また「聴けない言葉は話せない」という原理から、特に「聴く力」に重点を置いて取り組んでいます。学習効果を確かめながら着実に聴く力を身に付け、これを話す力、読む力、書く力に発展させ、あいさつや自己紹介だけでない本格的な英語力を培うことができます。「聴覚への音刺激が脳力を目覚めさせ、それによって能力が変わる」のです。


—— ご自分の人生に多大な影響を与えた人物は。
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開発に携わった新型VCR の展示説明会(ラスベガス、1989 年1 月)


若い頃から読書を通じて「いかに生きるか」を学びました。先ず、20 代後半にドクター・マーフィー(Dr.Murphy) の成功法則に出会いました。ここで潜在意識と感謝する心の重要性を認識し、自分という存在は自分自身が作り上げていることを理解しました。40 代になり、経営学者の飯田史彦さんの『生きがいの創造』に巡り合いました。以前から仏法で説く輪廻転生は気にはなっていたのですが、ここで初めて魂は永遠であり、人間は何度も生まれ変わってくるのだということを実感しました。

そして、デザイナーの故・足立幸子さんのスピリチュアルアートにも感銘を受けました。彼女は47 才で地球上での任務を終えて“ 帰星” されたわけですが、宇宙意識の存在と波動をこれだけ分かりやすく表現した作品はないと思います。また、幼児教育の第一人者、七田眞( しちだ・まこと) 先生の島根県江津市のご自宅で、家内、長女と共に右脳開発の講師講習を受けることができたのは、私どもがサンディエゴにて右脳開発教室を始めるベースとなっており、本当にありがたいと思っています。


—— 我が人生の転機について。

1 つは大学受験に失敗したことです。試験前日は一睡もできず、試験会場でもあがってしまって惨憺( さんたん) たる結果を招きました。この時、「ここぞ」というときに出せる力こそが本当の実力だと思いました。自分の意志で東京の駿台予備校の下総中山寮に入りました。4 人部屋での修行僧に近い集団生活のお陰で、自分でも信じられないほど精神的に強くなりました。

2 つ目は、2004 年3 月末、12 年間に渡る米国での駐在員生活に終止符を打ったことです。以前から教師として世の中のために役立つ仕事をしたいと思っていたのですが、生活のことを考えるとなかなか踏み出せませんでした。今から考えると、神様が見ていて「これ以上は延ばせないよ」と見事に退路を遮断してくれたような気がします。その僅か2 か月後にミウラ・エデュケーション・センターを立ち上げることができたのも、後押ししてくれる大きな力があったからこそと思うのです。

異国で暮らすということは、自分のアイデンティティーを保持しながら、ゼロから再出発することです。新しい大地にしっかり根を張って、いつの日か大輪の花を咲かせたいと思っています。


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我が人生の転機について。
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愛する妻とクリスマスパーティーに参加する
( サンフランシスコ、2000 年12 月)


サンディエゴの地でミウラ・エデュケーション・センターを開いて、右脳開発という素晴らしい教育法に巡り会うことができたことに感謝の気持ちで一杯です。今後は、幼いお子さんからお年寄りの方までが、右脳開発、右脳学習を通じて楽しく集うことのできる場所と機会を提供していきたいと考えています。

そろばん教室に関しては、現在のクレアモント教室に加えて、ノースカウンティーとチュラビスタにも拠点を設けたいと思っています。また、脳の活性化を図る大人向けのそろばん教室も開講するつもりです。現在、チュラビスタの菊ガーデンでお年寄り向けに右脳開発とそろばんのボランティアを行っていますが、このような奉仕活動も少しずつ広げていくつもりです。

また、今秋からはバイオリンとピアノの音感部門も開設し、感性を豊かにする機会を提供していきたいと考えています。


三浦 邦昭 ・

ミウラ・エデュケーション・センター代表。名古屋市出身。 小学校6 年生で全日本珠算連盟1 級合格( 当時最高位)。そろばん学習がその後の数学、英語を始めとする勉学の自信に繋がる。1973 年東京大学工学部応用物理学科卒。日立入社後に英検1 級合格、ミネソタ大学に留学。1991 年より米国日立に勤務。専門は電子工学、磁気記録、物理工学。2004 年3 月に日立を退社し、七田式海外向け初級講師資格を島根県江津市の七田研究所より取得。同年7 月にそろばん教室、9 月に右脳開発乳幼児教室を開設。2005 年1 月に日本国外で初めての茅ヶ崎方式英語教室を開設。アメリカ珠算教育連盟会員。英語読み上げ算協会会員。茅ヶ崎方式英語会協力校。

・ 生年月日:1949 年2 月19日 
・ 出生地: 三重県楠(くす) 町
・ 家族構成:父、母、妻、息子1人、娘2 人
・ 星座: 魚座
・ 血液型: B
・ 健康法: 毎朝30 分のワンちゃんとの散歩、手振り、太陽瞑想
・ 趣味:コーラス、 ボディーボード
・ 特技:いやなことはすぐ忘れる
・ よく観るテレビ:朝の日本語ニュース、「Friends」(TBS)、CNN、CNBC
・ カラオケ十八番: 都はるみ「千年の古都」
・ 好きな食べ物: 納豆、しらす、魚、採れたての野菜
・ 嫌いな食べ物: 化学調味料が多く入ったもの
・ 学生時代の部活動: スキー、テニス、バレーボール、卓球、英語


(2006年8月16日号に掲載)

※当センターに関する詳細はwww.MiuraEducation.com をご覧下さい。また、ご質問は858-694-0056、
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