November 21, 2025

パドレス球団オーナー、売却可能性も検討 将来の「戦略オプション」探索

11/14/2025

bigbayboom sサンンディエゴ・パドレスは11月15日、オーナーのサイドラー家が球団の将来について売却の可能性を含む戦略的選択肢の検討を開始すると発表した。ジョン・サイドラー会長は声明で「ピーター・サイドラー (父) の遺産と球団愛に敬意を払い、長期的成功の基盤を築くため、誠実かつ専門的に進める」とし、プロセス進行中も2026年の世界一に向け全資源を投入し、選手・職員・ファン・地域社会を最優先する方針を強調した。

▪️2012年参画から Pサイドラー逝去まで
サイドラー家は2012年、前オーナーのジョン・ムーアズ氏から8億ドルで球団を取得したグループの一員として参入。2012〜2020年はロン・ファウラー氏が実行会長を務め、2020年末からピーター・サイドラー氏が「コントロール・パーソン」として実質的なトップに就いた。ピーター氏は2023年11月に逝去し、その後は家族が所有を継続。ビジネスパートナーで少数株主のエリック・クツェンダ氏が1季の暫定トップを担い、2025年に長兄ジョン氏が会長となった。

▪️成績動員ともクラブ史上最高水準
サイドラー家の下でパドレスは直近6年で4度ポストシーズンに進出し、球団史上初の2年連続90勝超を記録。観客動員でも近年記録を更新し続け、2025年は本拠81試合で343万7,201人、72試合が完売というクラブ新記録を樹立。これらは地域社会との強固な結びつきと、所有体制のもとでの競争力強化を示す指標となった。

▪️勝負の年に資源全投入
球団は来季、スター選手を擁するロースターに加え、今週就任発表された新監督クレイグ・スタメンの下で再び優勝争いを狙う。声明では「2026年のワールドシリーズ制覇に向けあらゆる資源を投入する」と改めて明記され、売却の可能性を探る一方で、競技面のコミットメントは維持する姿勢を示した。

▪️助言会社の起用と情報開示方針
検討の具体的内容やタイムラインは未公表。球団は助言会社としてBDT & MSD Partnersを起用するとしており、プロセスが完了するまで追加コメントは控える方針を示した。市場環境、評価額、ガバナンス設計、継続投資計画など、多面的な検証を経て意思決定が行われる見込みだ。

▪️レガシー継承と長期安定の両立
今回の発表は、ピーター・サイドラー氏が築いた「積極投資で勝利と地域貢献を両立」させる経営哲学を土台に、財務的持続性・組織の安定・競技力の確保を総合的に再点検する動きと位置づけられる。売却の是非にかかわらず、2026年に照準を合わせた戦力整備とコミュニティ重視の姿勢は堅持される見通しだ。ファンと地域社会は、クラブの将来像とともに、目前のシーズンでの「結果」を期待している。