2024年6月28日
対話型人工知能 (AI) チャットGPTを開発したオープンAI (本社:サンフランシスコ) は6月27日、タイム誌 (Time USA, LLC/本社:ニューヨーク) と記事利用で提携したと発表した。
一方、米非営利報道機関の CIR (The Centre for Investigative Reporting/調査報道センター/本社:カリフォルニア州エメリービル) は同日、記事を勝手に利用して著作権を侵害したとして、オープンAIと、提携するマイクロソフト (MS/本社:ワシントン州
レドモンド) を提訴。
チャットGPTをめぐって報道機関の対応が分かれている。
提携でオープンAIはタイム誌の過去101年分の記事アーカイブにアクセスし、利用者からの質問に引用して回答できるようになる。
元資料へのリンクも表示する。
複数年契約で金銭的な条件は明らかになっていない。
オープンAIは利便性向上に繋げようと信頼性の高いメディアとの提携を進めており、他にAP通信 (本社:ニューヨーク) やメディア大手ニューズ・コーポレーション (本社:ニューヨーク) などと次々と契約している。
一方、CIRはオープンAIとMSが許可なく無償でコンテンツを利用し、著作権を侵害しているとしてニューヨークの連邦裁判所に提訴した。
この訴訟はAIが作成した記事の要約が同機関の著作権を侵害している実情に焦点を当てている。
損害賠償のほか、製品の学習にCIRのコンテンツを利用しないことを求めている。
同様の訴訟はすでに、ニューヨーク・タイムズ紙と複数の米地方紙が起こしている。
*Photo:© lilgrapher / shutterstock.com
(2024年7月16日号掲載)