2024年3月8日
半導体大手エヌビディア (NVIDIA) の収益が急拡大している。
「チャットGPT」に代表される生成人工知能 (AI) ブームの恩恵を受ける企業の象徴として投資家から成長力への期待が高まり、
株価が1年間で3倍以上に上昇し、純利益は8倍強に達した。
半導体製造装置を手がける日本企業を含め、半導体やAI関連企業の株価を押し上げている。
株式の時価総額は1兆6,000億ドル (約240兆円) を上回る水準で推移し、一時はグーグルの親会社アルファベットやアマゾン・コムを
上回り、米企業としてマイクロソフト、アップルに次ぐ3位に浮上した。
エヌビディアは1993年に台湾出身のジェンスン・フアン最高経営責任者 (CEO) らが創業し、カリフォルニア州サンタクララに
本社を置く。
自社で生産せず、台湾積体電路製造 (TSMC) などに委託している。
主力製品の画像処理半導体 (GPU) はパソコンやゲーム機に組み込まれ画像や映像の描写を滑らかにすることが主用途だった。
しかし、大量の演算を同時に処理できる特徴が複雑な計算を必要とする生成AIの開発に適しているとして、需要が急拡大。
米IT大手がこぞってデータセンターに大量導入した。
インテルやアドバンスト・マイクロ・デバイシズ (AMD) も生成AIに対応した半導体の開発を急いでいるが、先行するエヌビディアの優位は当面続くとみられる。
ウェドブッシュ証券の担当者は「データセンター事業者は設備投資を加速しており、多くはAIインフラの増強に当てられる見込みだ」と述べ、成長余地は大きいとの見方を示した。
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(2024年4月1日号掲載)