2024年4月6日
米国の中道政治団体「ノーレーベルズ (No Labels/レッテルなし)」は4月4日、11月の大統領選に向けて目指していた独自候補の擁立を断念したと発表した。
2大政党の民主、共和両党のいずれでもない第3極を狙ったが、勝利できる可能性のある候補者を見つけられなかった。
民主党のバイデン大統領と共和党のトランプ前大統領による2020年選挙に続く再対決を望まない有権者が多い中、不満の受け皿に
なる可能性があるとして注目されていた。
票の分散を避けたいバイデン氏とトランプ氏には朗報になった。
ノーレーベルズは声明で「米国民はかつてないほど無所属の大統領候補に前向きだ」と指摘。
「この運動はまだ終わったわけではない。
むしろ始まったばかりだ」とし、超党派の活動を続ける姿勢を示した。
南部ウェストバージニア州選出の民主党中道派ジョー・マンチン上院議員の擁立論も一時浮上したが、本人が2月に出馬見送りを表明した。
ノーレーベルズは共和党候補指名争いでトランプ氏に食らいついたニッキー・ヘイリー元国連大使にも秋波 (しゅうは) を送ったが、ヘイリー氏は関心を示さなかった。
ノーレーベルズ共同議長のジョゼフ・リーバーマン元上院議員が3月27日に死去し、調整役を失ったことも影響した可能性がある。
2大政党以外では無所属の弁護士ロバート・ケネディ・ジュニア氏、小政党「緑の党」のジル・スタイン氏、無所属の進歩派論客コーネル・ウェスト氏が出馬している。
(2024年5月1日号掲載)