2024年4月2日
カリフォルニア州で4月1日、州内のファストフード店の最低時給が20ドル (約3,100円) に引き上げられた。
全業種の最低時給16ドルを大きく上回り、ファストフード店の労働者の賃金では全米で最高水準となる。
他業種での賃金改善にも波及する可能性がある一方、インフレを促進する要因にもなりそうだ。
対象は全国で60店舗以上を運営するブランドのファストフード店。
同州で働く50万人以上の従業員の賃金が引き上げられるという。
2022年の平均時給は16.21ドルだった。
ファストフード店従業員の最低賃金をめぐっては、2022年9月に最大22ドルに引き上げる州法が成立。
だが、企業側からの反対を受けて施行されず、交渉を経て20ドルにすることで落ち着いた。
ニューサム知事が昨年9月、法案に署名した。
今回の最低賃金引き上げは、人手不足に悩む他の飲食店や別業種の賃金の引き上げにつながる可能性もある。
一方、人件費抑制のため施行前に一部の従業員を解雇する動きも見られた。
ただ、カリフォルニア州は全米でも物価が比較的高く、労働者の賃金が上がることでインフレがさらに進むことを懸念する声もある。
*写真は、ロサンゼルスのファーストフード店内で「法案AB1228」に署名するギャビン・ニューサムCA州知事。
*Picture: © Ringo Chiu /shutterstock.com
(2024年5月1日号掲載)