2024年3月21日
米司法省と16州・地域の司法長官は3月21日、アップルがアイフォーン (iPhone) の支配的地位を利用して価格を吊 (つ) り上げたり、競合他社を排除したりしたとして、独占禁止法 (antitrust law=反トラスト法) 違反で提訴したと発表した。
今回の訴えが認められた場合、アイフォーンを中心に利用者を囲い込んで経済圏を
築いてきたビジネスモデルが打撃を受ける。
アップルは訴訟内容について「事実と法律の両面で間違っており、力強く対抗する」と争う姿勢を示した。
司法省は、アップルは競合他社のメッセージアプリやスマートウオッチなどがアイフォーン上で十分に機能しないように妨害し、消費者の選択肢を奪っていると主張。
また、通信から決済まで多様な機能を持つ「スーパーアプリ」の成長を阻害することで、アイフォーンから他のスマートフォンへの乗り換えを難しくしたとも指摘した。
アップルは声明で「司法省が勝訴すれば、人々がアップルに期待する技術を創造する能力が損なわれる」と反論した。
司法省などはこれまでに、検索サービスなどをめぐってグーグルを反トラスト法違反で提訴。
米連邦取引委員会 (Fair Trade Commission=FTC) などがメタ (旧フェイスブック)、アマゾン・コムをそれぞれ提訴しており、「GAFA」と呼ばれた巨大ITが全て独禁法訴訟の対象になった。
*Picture:© ALDECA studio / sutterstock.com
(2024年4月1日号掲載)