2024年3月16日
「投資の神様」「オマハの賢人」と称される米国の著名投資家ウォーレン・バフェット氏 (93) が、歴史的な高値圏にある米国の株式相場を「カジノ的」と指摘して話題になっている。
ニューヨーク株式市場 (NYSE) のダウ工業株30種平均が史上初の40,000ドル台に迫る中、急ピッチの株価上昇に警鐘を鳴らす。
2月下旬に公表した毎年恒例の「株主への手紙」 (Buffett’s annual letter to shareholders) で、こうした考えを明らかにした。
10代で株式投資を始めた長年の経験を踏まえ、過去の市場急変に触れつつ「今の市場は、私が若い頃とは比べものにならないほど、
カジノ的な様相を見せている」と強調した。
フォーブス試の「2023年版世界長者番付」で5位の大富豪バフェット氏が率いる投資会社バークシャー・ハサウェイ (Berkshire Hathaway Inc. /本社:ネブラスカ州オマハ) は、株の売却を前提とせず有望株を長期保有することで知られる。
一方で、ダウはここ数か月で約2割上昇。
最近の値動きは自身の投資手法と相容 (い) れないとして批判的に見ているもようだ。
「株主への手紙」では、投資先である日本の5大商社にも触れ、「高度に分散された手法で事業展開している」などと経営手腕を評価した。
バフェット氏は2020年に5大商社の株式をそれぞれ5%超取得したと発表した。
昨年4月に来日して買い増しを表明。
これが日本株見直しや株価上昇につながったと指摘される。
バフェット氏は現在、5社の株を約9%ずつ保有。
9.9%は超えないことを確約しており、今後の買い増し余地は限られるもようだ。
フォーブス誌が公表した「2023年版世界長者番付」によると、個人保有資産額のトップはフランスの高級ブランドグループ、モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン (LVMH) のベルナール・アルノー会長。
米企業家のイーロン・マスク氏、米アマゾン・コム創業者ジェフ・ベゾス氏、米IT大手オラクル共同創業者ラリー・エリソン氏と続き、ウォーレン・バフェット氏も5位に顔を出す大富豪の一人。
*Picture:© thongyhod / shutterstock.com
(2024年4月1日号掲載)