Friday, 18 October 2024

FRB、銀行規制強化案を緩和  大手行の資本増強、負担半減

2024年9月11日

連邦準備制度理事会 (FRB) のマイケル・バー金融監督担当副議長は9月10日、米シンクタンクで演説し、昨年7月に公表した銀行規制強化案を緩和する修正案を明らかにした。

経営危機を回避するために米大手銀行に求める資本の増強は、計画していた19%から9%に下げ、関連する負担を半減させる。


FRBは昨年3月のシリコンバレー銀行破綻 (はたん) などを受け、連邦預金保険公社 (FDIC)、通貨監督庁 (OCC) とともに、不測の事態に備えて、バンク・オブ・アメリカ (BofA) や JPモルガン・チェース (JPMorgan Chase) など、金融界に重大な影響力を持つ8銀行の資本増強率を19%にする当初案を発表したが、金融業界から反発を受けていた。


バー氏は演説で、銀行が負担増を金融サービスの料金などに転嫁する可能性があるとして「(銀行の) 強靱 (きょうじん) 性と効率性のバランスを取ることが重要だ」と説明。


修正案は資産規模2,500億ドル (約36兆円) 未満の銀行に対しては、大半の規制強化を適用外とする。

当初の強化案では、資産規模1,000億ドル以上の中堅銀行も対象とし、対象行の資本増強は16%になると見込んでいた。


バー氏は、FRBが近く変更案を議論し、改めてパブリックコメント (意見公募) を行うと説明。

11月に大統領選を控える中で「決して、選挙前に急いで終わらせようとは思っていない」とも述べた。

(2024年10月1日号掲載)