December 13, 2025

カリフォルニア「プラスチックレジ袋完全禁止」リサイクル紙袋提供の販売制へ 1月始動

12/12/2025

カリフォルニア州では2026年1月1日から、食料品店でのプラスチック製レジ袋の完全廃止が段階的に始まる。これは環境負荷削減を強化する新州法「SB 1053」の施行によるもので、州は「10年前の法律に残された抜け穴をようやく塞ぐ」と意気込んでいる。今後、店舗で提供できるのはリサイクル紙袋のみとなり、1枚10セント以上の料金が義務づけられる。

▪️「厚手のプラ袋例外は旧制度の大きな抜け穴
カリフォルニアは2014年に全米初のレジ袋禁止「SB 270」を導入したが、例外として125回再利用可能とされる厚手のプラ袋 (HDPE製) が許可された。実際にはこの袋が大量に流通し、事実上の “新しい使い捨て袋” として普及。結果、2022年時点でレジ袋の廃棄量は法施行前より47%増加したと CalPIRG は報告している。
当時、プラスチック業界や大型スーパー団体がこの例外規定を強く求め、エクソンモービルなどの石油化学企業も「厚手袋はリサイクル可能」と主張したが、実際には専門施設でないと再生が難しく、多くが埋立地行きだった。

▪️SB 1053今なぜ全面禁止へ
今年9月にニューサム知事が署名した SB 1053 は、この例外規定を撤廃し旧法を丸ごと置き換える新制度だ。カリフォルニア・グロサーズ協会も今回の改革を支持し「良い政策も社会の変化に合わせて更新が必要。SB 270 で始まった取り組みは今日新たな段階に入った」(同協会政府関係担当副会長) と歓迎している。2028年以降、紙袋は50%以上が再生紙でなければならないなど、環境基準も強化される。

▪️「紙 or ビニール?」は過去の話・・今後は紙袋を購入しますか?」
廃止初日に体験する変化について、環境団体「カリフォルニア廃棄物削減連盟 (Californians Against Waste=CAW) のマーク・マレー専務理事は「2014年の法律施行直後に戻った感覚だ。今後は『紙かプラか?』ではなく『紙袋が必要ですか?』と聞かれるようになる」と述べている。

▪️CA州エクソンモービルを提訴/「リサイクルできる」は虚偽
ロブ・ボンタ州司法長官は、エクソンモービルが「リサイクル可能」と誤解させる宣伝で市民を欺いたとして提訴。「プラスチックは海底から山頂まで、そして私たちの体内にまで入り込んでいる。企業はリサイクルで解決できると偽ってきた」
と批判し、2014年以降の “逆効果” の一因と指摘する。州は、厚手プラ袋が新たな使い捨て依存を生み、環境改善どころか悪化させたと結論づけている。

▪️2026年以降の買い物はどう変わる
• プラスチック袋は完全提供禁止
• 紙袋 (10セント以上) だけが選択肢
• マイバッグ持参が必須に近い生活へ
• 2028年からは紙袋の50%以上が再生紙に

10年以上続いた紆余曲折 (うよきょくせつ) を経て、カリフォルニアのレジ袋政策はようやく “真の禁止” に到達する。持続可能な買い物スタイルへの転換が州全体で本格的に進み始めることになりそうだ。