2024年7月8日
コロンビア大の経済学者ジョセフ・スティグリッツ教授ら、ノーベル経済学賞の受賞者16人が、トランプ前大統領が11月の大統領選で勝利した場合、インフレーションが再加速すると警告する共同書簡を公表した。
トランプ氏は減税提案を乱発しており、スティグリッツ教授らは「財政的に無責任な予算を組んで、インフレが再燃する懸念が
当然ある」と指摘した。
経済政策の具体策に関してはそれぞれ異なる見解を持っているとしながらも、「バイデン大統領の経済政策が、トランプ氏よりも
圧倒的に優れていることは全員が同意している」と明言した。
次の大統領選の結果が、その後、数十年にわたって経済に影響を及ぼす可能性があるとし、トランプ氏の「返り咲き」が実現すれば「世界での米国の経済的地位は低下し、国内経済も不安定化する」と訴えた。
トランプ氏はバイデン氏支持層の切り崩しを狙い、所得税や法人税の減税を主張しているほか、全輸入品に10%の「普遍的基本関税」を課すことを提唱し、中国からの輸入品に少なくとも60%の関税を課すなどとしている。
また、ジャネット・イエレン財務長官は、トランプ前大統領が提案する全輸入品への一律関税導入に関し、「全ての貿易に影響を及ぼす。多くの米企業にとって大幅な負担増となり、消費者が購入する幅広い輸入品のコスト引き上げにつながる」として批判を続けている。
(2024年8月1日号掲載)