11/10/2024
2023年5月に発生したハリウッドの大規模なストライキは、映画・テレビ業界を激しく揺るがした。
俳優と脚本家の組合による同時ストは1960年以来、63年ぶりのこと。
俳優らは作品への出演だけでなく、宣伝などの活動も制約されるため、一部で新作公開イベントの中止が決まり、来年公開予定の作品の中には撮影中止に追い込まれるなど、余波が広がった。
全米脚本家組合 (WGA) と全米俳優組合 (SAG-AFTRA) が待遇改善やAI技術の利用に関する条件を求めて立ち上がり、多くの作品の制作が一時停止した。
ストライキは数か月にわたって続き、映画の公開スケジュールの延期や製作現場の停滞を引き起こしたが、交渉妥結に至り終結を迎えた。
ストライキが解決したことで、映画業界は本格的な再始動を展開している。
各スタジオは、中断したプロジェクトの再開に向けて急ピッチで準備を進めており、ホリデーシーズンや2025年に向けた大作映画の公開が期待されている。
観客を映画館に呼び戻すため、マーケティング戦略の強化や映画祭での積極的なプロモーションが行われている。
また、ストライキ後の契約では、AIの使用や労働条件に関する新たなルールが設定され、業界全体での「働き方改革」が進んでいる。
今回のストライキは労働者の権利と新技術のバランスを考える契機となり、今後の映画制作に影響を与えるのは必定だ。
(2024年12月1日号掲載)