Thursday, 21 November 2024

米車労組、バイデン氏推薦 支持層固め、激戦州の勝敗左右

2024年2月1日

11月の大統領選で再選を目指す民主党のバイデン大統領は1月24日、全米自動車労働組合 (UAW) の推薦を得た。

北米自動車業界を代表する大規模労組の支持を固め、選挙戦で追い風となりそうだ。

労組票は激戦州の勝敗に直結する可能性がある。

共和党の候補指名が有力視されるトランプ前大統領の陣営は「トランプ氏こそが米国の労働者の偉大な味方だ」と反発した。


自動車は、激戦が予想される中西部のミシガン州やウィスコンシン州などの主要産業。

AP通信は、労働者票をめぐりトランプ氏と競争を繰り広げるバイデン氏にとって「重要な後押し」になると報じた。


UAWがワシントンで開いた会合で、ショーン・フェイン会長は「バイデン氏は労働者に寄り添っている」と評価。

トランプ氏を「労働者のことを気にも留めていない」と批判。

続いて登壇したバイデン氏は「米国を支えているのは中間層だ」と述べ、賃上げを重視する姿勢を改めてアピールした。


バイデン氏は昨年9月、UAWが本部を置くミシガンを訪問。

現職大統領としてストライキに初参加し、組合員を激励していた。

トランプ氏も同時期にミシガンの自動車関連企業で演説し、巻き返しを図っていた。


UAWは1935年創設。

2020年大統領選でもバイデン氏を支持した。

AP通信によると、約38万人の組合員を擁しており、民主党、共和党支持者がそれぞれ3割、無党派層が4割とされる。


バイデン氏は2月1日、激戦が予想されるミシガン州を再訪し、推薦を得たばかりのUWAの集会に参加。

演説で労働者を重視する姿勢を強調。

共和党の候補指名が有力視されるトランプ氏との対決を見据え、支持基盤となってきた有力労組の票固めを図った。


バイデン氏はUAWのフェイン会長らを傍らに、高止まりしていた物価上昇率が沈静化し、雇用状況も改善しつつあると説明。

「労働者が中間層を形成し、中間層が米国を形成している」と述べ、労働者の生活を底上げする意義を訴えた。


労組票は激戦州の勝敗に直結する可能性がある。

トランプ氏は1月31日、推薦獲得を目指す全米トラック運転手組合の幹部と会談している。


 

(2024年2月16日号掲載)