September 15, 2025

Featured

不足/足りない

 

① [小銭が足りない]  東京都内のコインパーキング。「超過料金400円」の表示。昔はカード払いの駐車メーターがなかった。友人が自動販売機に500円玉+30円を投入し、130円のジュースを買い、釣り銭として100円玉4枚を調達しようとしたが、3枚しか出てこない。よく見ると「釣り銭切れ」のランプが点いている。友人が運営会社に電話でクレーム。待つこと20分。平謝りの係員が不足の100円を持ってくる。メーターに100円玉4枚を追加しようとした瞬間、カチャンと音がして超過料金が加算! 500円に! 唖然! 私「コンビニで小銭を作ってくる」。友人「もう一度電話する。俺たちは被害者だ。泣き寝入りするな!」。私「600円になっちゃうぜ!」。欲しくもないガムを買い、もう1枚、100円玉を投入してケリをつけたが、釈然としない。② [技量が足りない]  初めて子犬を飼った小学生の頃、見習い大工さんに室内用ドッグハウスを作ってもらった。頭で扉を押せば中に進めるので、ペットもお気に入り。子犬は内側でリラックスしていたが、外に出てくる気配は全くない。やがて元気がなくなり、小屋の中で寂しそうに佇 (たたず) んでいる。外側からは扉が動くのに、設計不足で内側からは開かない! 一度入ると監禁されてしまう! この人が作る家には住みたくない。 (SS)
blue_line932
▽友だちからLINEで届いた貼り紙「18才と81才の違い」を見て、大笑いした。「恋に溺れるのが18才、風呂で溺れるのが81才」「人の言うことを聞かないのが18才」「人の言うことが聞こえないのが81才」「道路を爆走するのが18才、逆走するのが81才」など、8つの例 (https://bit.ly/3co49MX) が挙げられている。久しぶりに爆笑した。そして、最近、笑いが足りなかったことに気がついた。▽コロナ前は、職場やサークルの仲間で、お互いに面白い話を聞かせ合っていた。ツボに入って死ぬほど笑うこともあった。「笑わせてナンボ」の大阪の友だちのように、ウケると、調子に乗って何度でも同じネタを披露していた。▽笑いは健康に良いことは分かっているけれど、最近は、笑う元気が出てこない。なかなか収束しないコロナ、ロシアのウクライナ侵攻、安倍元首相の銃撃事件・・心が痛む出来事が多い。でも、何と、作り笑いでも健康に効果があるとのことだ。口角をギュッと引き上げると、次第に本物の笑いになっていくそうだ。実際に会って爆笑するのは、もう少し先になりそうだが、面白いテレビや動画を見たり、毎日の暮らしのなかで “笑い” のネタを探してLINEでシェアしながら、“笑える毎日” を過ごしたいと思っている。(NS)
blue_line932
yoko
▷4人+1匹で暮らしていると、しょっちゅう、いろいろな物のリストックが必要になる。食料品はもちろんのこと、日用消耗品の数々: ディッシュソープ、ボディソープ、シャンプー、石鹸、キッズ用のボディウォッシュ&シャンプー、デンタルフロス&歯磨き粉 (大人用&キッズ用の2種類)、洗濯用洗剤、ティッシュ、トイレットペーパー、猫トイレ用の砂、ペーパータオル、アルミフォイル、プラスティックラップ.....買い物に出た際に、なるべく一度で終わらせたいのだが、油断すると、後で足りないものが分かって二度手間になる。家の中の管理をしてくれる人 (or ロボット?) がいると助かるのになと思う。▷以前は Shell Station を利用していたのだが、ガソリン代が高くなってからは、安いところを探して給油している。ただ、困ったことに、ウインドシールドクリーナーが無いところが多い。ある時、ウインドシールドがかなり汚れていて、見えにくかった。ガソリンを入れるついでに拭こうと思い、価格が安めのステーションに入った。クリーナーがある! やった! 入れ物から取り出してみると、乾き切ってカサカサ! 水が入っていない! 結局、使えなかった。ガソリンスタンドの皆さん、水を入れておいてください。 (YA)
blue_line932
suzuko-san
私はこの国に乗り込んできた時、「好きな料理関係の仕事ができたらいいな」と、おぼろげに自分の将来を夢見ていた。自分で店を開いてビザを獲得する、という手もなくはなかったが、それほどの資金はない。+レストラン業はリスキーだ。そこへ誰かが現れて「結婚しよう」と言う。「この話、乗った!」。この国でビザも住まいも確保した。あとは仕事。立地条件は悪かったが、改装したばかりの大きな家があった。「よし、この家で日本人相手の民宿をやろう」。好きな料理も、とりあえずこのビジネスには役立つ。そして、次に始めたのがインド料理教室。何度も書いているが、日本にいた時、出版社退社後にインドに本場の料理を習いに行った、という経緯が私にはある。それを知った誰かから「教えてください」。ご存知のように、インド料理は数々のスパイスの融合作品。簡単なものは3、4種のスパイスでできるが、煮込み料理などは10種ほど必要。和食は調理過程で思う味が出ないと「あれが足りない」と咄嗟 (とっさ) に分かり、それを足して味が調えられるが、インド料理は、さて、どのスパイスで味を調整すればいいのかが分からない。何かが足りないけれど、経験不足で何が不足しているのかが分からない。そういう時は、スパイスミックス「ガラムマサラ」で片づけるのだけど・・。 (Belle)
blue_line932
jinnno-san
パンデミック前は、10歳用、つまり小学生用の服が 笑、シャツでも、ジーンズでも、スカートでも、さらに言えば、小学生のユニフォーム専門店にある10歳児のものが、小柄な自分の身体に一番フィットしていた。デパートの店員さんに「小さい服はどこですか?」と尋ねると「Juniorですね」と言われるので、「じゃなくてKidsです」といちいち説明する。ちなみに Junior は13歳以上のティーンエイジャーで、Kidsは12歳以下、らしい 笑 (大人には、どうでもいい話よね 笑)。ところが、最近、10歳用の服の寸法が、足りなくなった! 服は縮まらないから、わたしが大きくなった!? 笑! いやだぁーーっ! これって、別名、太ったーーっ!!! どこの寸法が足りなくなったかというと、胴回りと肩幅? 前のボタンが閉まらない! 胸は決して成長してないし・・笑  要するに、身体全体に肉が余分に付いたってことじゃん! 涙! めちゃめちゃ嘆いているわたしだったが、10歳用→12歳用にグレードアップしただけ 笑。Kids カテゴリーで一つサイズが上がった。成長期の子供の親なら喜ぶところ 笑? いや、このままだと成長が止まらず、太り続けるだろう。10歳用に戻れるよう、運動不足にならぬよう、この夏、ビール飲んだら飲んだ分、10歳児のように走るとします!(飲むほうは、子供サイズじゃないらしい 笑)。(りさ子と彩雲と那月と満星が姪)
blue_line932
足りないものって何?・・と娘に聞いたら、大人が足りないと感じるトップ40のリストをグーグルで見つけて、私に教えてくれた。時間、睡眠、運動、給料、幸運、笑い、楽しみ、友達、水分、野菜・・etc。なるほど、面白い。そのほとんどが、今までに足りないと実感したものばかり。「幸運」が足りない・・なんて考えたこともなかったが、スーパーのカートに関しては、かなりの確率で運が悪い。私が手に取るカートには、いつもゴミが入っていたり、タイヤがまっすぐ進まなかったり、ガタガタ音が激しかったりすることが多いので、最近は自分で取らずに娘に任せている。「水分」は常に足りていないと思う。昔からあまり水を飲まないので、意識しないと一日に数回しか口にしないことが多い。ただでさえ乾燥しがちな年齢なのに、さらに乾涸 (ひから) びてしまいそう。「睡眠」については、子どもの学期中は慢性的な睡眠不足が続いているので、週末が来るのが待ち通しい。今は夏休みなので、通常よりも長く眠れているとは思う。すでに睡眠のリズムが4時間ほどになっているせいなのか、朝4時半ごろに一度目が覚めてしまうが、お弁当を作らなくてもいいし、学校の送り迎えもないので、もう一度寝られる! 最高! このまま9月が来なければいいのに・・。(SU)

(2022年8月1日号に掲載)
Featured

苦手

 

幼少の頃、郵便ポスト、灯台のサーチライト、夜空に炸裂する花火に、とてつもない恐怖を感じておりました。隠さずに申しますと、赤い色とフラッシュライトが苦手だったのです。身の回りに赤色系は置かず、救急車やポリスカーのギラギラから目を背け、打上げ花火も観賞用として楽しめない (音にも拒絶反応)・・そんな子供でした。河畔で花火大会が始まると大泣きし、祖母が私を連れて近場の温泉に “避難” するという手の掛かる男児。霊能者を自称する人が言うには、私の無意識下に前世の記憶が潜んでいて、光は「刀」の照り返しで、赤を忌避するのは「血」に関連した過去生が原因だとか。家系図によると先祖は武士。戦場 (いくさば) で斬殺された? 辻斬りに遭った? 主君に切腹を命じられて不本意な死を遂げた? 霊能者は勝手な想像を膨らませるだけ。カルマ説の真偽は別としても、楽しい話ではありません。ソクラテスだったかな。人間とは冥界で自らが繰り返し選んだ命の形であり「必然のイス」に座らされてから「忘却の原」を横切り、喉が渇いて「忘れ河」の水を飲んだ後に生まれ変わるとか。過去生の記憶は完全に抹殺されていながら、何かの拍子に蘇生するらしいのです。メタフィジカルな話でゴメンなさい。還暦を過ぎた今もなお、独立記念日の花火ショーが苦手な私です。(SS)
blue_line932
▽ヤード、パウンド、フィート、ファーレンハイト・・、ややこしいアメリカの単位が苦手だ。いつもメートルやグラムに換算しながら、ため息をついている。世界標準のメートル法を採用していないのは、世界でたった3か国。リベリア、ミャンマー、そしてアメリカで、リベリアとミャンマーはメートル法への移行が進んでいるとのこと。アメリカでも最近は、科学や軍事の世界で、メートル法を採用。社会システムのいろいろな単位を変えるには、手間がかかるので、惰性でそのまま使っているらしい。▽人の名前や顔を覚えるのが苦手だ。相手が敵か見方かを判別できるように、人間は進化の過程で、顔を瞬時に見分ける能力を取得したらしい。旦那は、ドラマや映画に出てくる脇役の顔はもちろん、役名まで覚えてしまうのに、自分は、主人公の名前も覚えられない。脳障害のため、人の顔を覚えられない失顔症(しつがんしょう)という病気もあるそうで、俳優のブラピも、自身がこの病だと告白している。ブラピと同じかぁ!? ▽B型人間が苦手だ。血液型占いはあまり信じていないが、周りを見渡すと、不思議と “困ったヒト” がB型に多い。ヒトの話を聞かない、反省しない、自己中でマイペース、遅刻しても悪びれず、意見がコロコロ変わる・・。見事なほどに、良いことがほとんどない。かくいうこの私も、B型人間なのだ。(NS)
blue_line932
子供の頃、大の苦手だった稲荷寿司。甘めの油揚げに酢飯という組み合せが美味しいとは思えず、 避けて通りたい食べ物の一つだった。普段は取り立てて問題にならなかったが、年に一度、食べることを積極的に勧められる日があって困った。それは、ピアノの先生のお宅で開催されるホームコンサートの日。生徒が集合して、演奏会をし、お昼を食べてから、近くの河原に遊びに行く楽しいイベント。私は大好きだったのだが、ランチがいつも太巻きと稲荷寿司のセットなのだ。他の子供たちは大喜びでペロッと食べてしまう。私は太巻きに入っているカンピョウやさくらでんぶも、実はあまり好きではなく、この時間が苦痛だった (笑)。先生が「全部食べたらお菓子をあげるからね」と優しく声をかける。「稲荷寿司、嫌いです」とはとても言えず、一生懸命、口に押し込んだ。今となっては懐かしい思い出。そういえば、あの頃はパイナップルの入った酢豚も嫌いだった。給食で味噌ピーナッツなるものを初めて食べた時は吐き出しそうになった。ご飯として食べるものが甘いというのがダメだった。今は稲荷寿司、大好き。酢豚、カンピョウ、さくらでんぶ、味噌ピーも美味しいと思う。あの頃の苦手は苦手でなくなり、新たに苦手なものが出てきたり。人間って不思議。(RN)
blue_line932
suzuko-san
好きー嫌い。上手ー下手。得意ー苦手。どれも似たような言葉の反意語だが、各対比の語句のニュアンスは微妙に異なる。「好きこそものの上手なれ」という諺がある。それはかなりの部分で言えていると思うが、全てに当てはまるとは限らない。例えば、私はピアノ音楽が大好きで、ピアノの音色も大好き。ピアノが弾けるようになれたら、どんなに素晴らしいことかと、人生の大半でピアノを持ち続けているが、今日に至るまで真面目に練習した試しがない。一つのものに立ち向かう「こらえ性」がないのだ。本気で練習をしないから、上達するわけがない。それでも時間が有り余る時は、いつも側にあるピアノに向かいながら、せいぜいが10分程度。覚えている曲だけを弾いて、おしまい。これじゃ、上手になるわけがない。好きだけれど、下手くその類である。それはさておき、今回のテーマの「苦手」。苦手な教科、苦手な食べ物、苦手な人、苦手な操作。そうさ! 私はモノが壊れたりすると、自分で直せそうなものは、必死で修理しようと頑張る。なかなか諦めない。ところが、新しい機器が我が家に届くと、その説明書を一から読んで・・というのが大の苦手だ。コンピュータ、スマホ、アイパッド。とりあえずは使えるが、決して使いこなせてはいない。「好きだけれど苦手」のクチである。(Belle)
blue_line932
jinnno-san
50代後半の方が、EメールでどのようにCC (Carbon Copy) するかを知らなかったようなので、教えずにはいられれなかった 笑。決して、その人はパソコン初心者ではなく、何年も社会で使ってきたハズなので、正直、ギョウテンだった 笑。60歳くらいのおじさんが「自分はエンジニアだけど、 携帯のテキストメッセージをグループに出す方法が分からない」と言うので、「はーい、まずは、いつものようにメッセージを出して、それから、コンタクトから誰に送るかを選んで、またコンタクトから人を選べば、1人以上の人に同じメッセージが送れるよ」 と “指導” した 笑。コンピュータ類が苦手な人はいると思うけど、まさかのまさか?って思うところで、ある人はけつまずいてるんだ、と理解。というわたしは、iPhoneを持っているんだけど、つい最近まで、“強制シャットダウン” が通常のシャットダウンだと思い込んでいて、みんなそうやって電源を切っていると信じていた。別に支障はないと思うんだけど。ご存知かどうか分からないけど、強制シャットダウンの画面には “SOS” というオプションがある。ある日、何だろうと思って押しちゃった 笑。すぐSDPD (サンディエゴ市警察) から、折り返し電話がきたわよ 笑。そして未だに、通常のシャットダウンの仕方が分からない・・笑。 (りさ子と彩雲と那月と満星が姪)
blue_line932
近所付き合いと、ママ友との交流が苦手だ。人と接するのが嫌いというわけでもなく、ただ苦手なのだ。毎日、子供の学校への送り迎えで、ご近所のお母さんやお父さんを見かけるが、これといって話すこともないので、挨拶だけしてサッと帰ってくるだけ。一方で、私と同時期に近所に引っ越してきた日本人の知り合いは、もう何年もこの街に住んでいるかのような雰囲気があり、学校に来るママさん全員の連絡先を知っているのでは、と思えるほど順応している。彼女自身も人と話すのが得意だと言っている。それでも「スゴイなぁ」と尊敬してしまう。アメリカに長く住んでいる人を見ていて思うことは、皆がそういうわけではないだろうが、気が強く、コミュニケーション能力の高い人が多いように思える。気が強い人というのは、どんな場面でも「イエス」と「ノー」をはっきり言える人。フェアでなかったり、自分や誰かが理不尽な扱いを受けた時などに、声を出して自己主張できる人。そして面倒見が良く、マメな行動が取れる人。ここまで書き出して思ったことは、これらの要素は私にはない。自分が損する立場に置かれている場面でも、まぁいいか・・で済まそうとしてしまう。はっきり「ノー」と言えない。こんな私が、なぜアメリカにいるのだろう・・。(SU)

(2022年7月16日号に掲載)
Featured

忘れられない

 

若い頃は中古車でアメリカ国内を旅行したが、フリーウェイよりも一般国道や州道を好んでいた。米国の風情と興趣を強く感じ、深く記憶に残る「事件」に遭遇したのもローカル道だった。米軍基地近辺で体験した忘れられないロードトリップ2題。▽30年前、カリフォルニア州道62号線上のジョシュアツリー国立公園前のホテルで、地元に伝わる幻の「Giant Rock Airport」を耳にした。パワースポットと怪奇現象の連載記事を書いていた私は興味を抱く。3日間滞在し、勘だけを頼りに砂漠の道なき道を進んでいくと『未知との遭遇』 の宇宙船発着所に似た、殺風景ながら広大な飛行場が忽然と現れた! 海兵隊航空地上戦センターが近くにあり、エアポートの正体について質問メールを送ろうとしたが、興味本位で米軍と接触するのが恐くなり、ヤメた。▽ネバダ州ファロン海軍航空基地に近い一般国道95号線を走行中、背後から迫る1機の戦闘機 (F-16 ファルコン?) がバックミラーに映る。あろうことか、低空飛行を始めたかと思うと、車の上を轟音とともに掠 (かす) め去り、再び高度を上げ、前方上空で旋回し、正面から同じことを繰り返して姿を消した。恐怖に慄 (おのの) く私。公道を走る私の車を標的にして、機銃掃射の空射シミュレーションをしていたに違いない。その非常識ぶり。どういう了見なのかと腹が立った。 (SS)
blue_line932
▽子どもの頃、福島県の会津で暮らしていた。日本有数の豪雪地帯で、積雪で2階から出入りしていた記憶がある。かまくらで餅を焼いたり、ソリに乗ったり、ほっぺたを赤くしながら遊んだ。実家は米農家だったが、半年間も雪に閉ざされた生活は、気の遠くなるような厳しい自然との闘いだったと思う。▽昭和35年の春、新天地を求めて、一家揃って上京。開業したばかりの東京タワーの下で家族写真を撮った。セピア色した写真の中で、両親も祖母も兄も私も笑っている。4年後に新幹線が開業し、オリンピック、ビートルズ・・、日本も我が家も元気いっぱい、キラキラ輝いていた。▽学生時代、ワンゲル部に所属していた。初めての山行は至仏山 (しぶつさん)。山頂に立った時、前方に七色の光の輪ができて、自分の影が映るブロッケン現象を目撃。一歩一歩進めば、必ず頂上にたどり着くことを学んだ。▽その昔、両親と姪を連れて「アメリカ西部国立公園ツアー」に参加した。ボディチェックの時に父がカメラを置き忘れ、母の足の裏に魚の目ができ、姪が下着をホテルに忘れたり・・。私といえば、お腹の調子がおかしくなり、バスの最前席と最後尾のトイレを何回も往復した。生まれてこの方「家族旅行」という記憶がない自分にとって、その旅は特別なものとなった。雄大な渓谷より、そんなハプニング続きのドタバタ劇が懐かしい思い出となっている。(NS)
blue_line932
yoko
小中学生の頃に読んだ本は忘れられない。小学生時代に好きだったのは、動物が出てくる本。『シートン動物記』の「狼王ロボ」「ビンゴ」「野生馬物語」「綿尾ウサギのぎざ耳坊や」などなど。何度も何度も読み返して、挿絵の狼や馬の絵を真似て描いていた。椋鳩十 (むく・はとじゅう) さんの動物文学作品 『孤島の野犬』や『マヤの一生』などは、当時、ジョンという犬を飼っていたので、登場する犬にジョンの姿を重ねながら読んでいた。中学生になってからは、安房 (あわ) 直子さんや立原えりかさんの幻想的な童話集を好んで読んでいた。最初に母が買ってきてくれた安房直子さんの文庫本『南の島の魔法の話』に入っていた「鳥」「きつねの窓」「さんしょっ子」「青い花」はどれも印象的で、色鮮やかな情景が目に浮かぶ短編だった。立原えりかさんの『月あかりの中庭』に出てくるバターたっぷりのオムレツ、レモングラスを使ったお料理、「ミモザ」に出てくる星のケーキなど、どれも美味しそうで、とても食べてみたくなった。将来は童話作家か絵本の挿絵画家になりたいなと思っていた。私には小学2年生と4年生の子どもがいる。どんどん読書をして、大人になっても忘れられないような “自分の好きな本” を見つけてほしいな、と思う。 (YA)
blue_line932
suzuko-san
我が長~い人生の中には、良きにつけ悪しきにつけ、数々の忘れられない出来事があるが、これは私がサンディエゴに存在を置く上で、最も意味深さを持つ、ある少女との出会いの話。それは7年前。私が「ゆうゆう」のクラシファイドに出してもらっていた家庭教師の広告がきっかけの電話だった。聞けば、その人の知り合いが娘の家庭教師を探している、というもの。早速、その家に赴いて、私は自分の目を疑った。そこにいるのは金髪青眼の6歳の女の子。両親は全くの白人。サンディエゴに生まれ、日本に住んだこともないこの少女は、2歳半から某幼稚園に通い、私が会った時の7歳の彼女の日本語は、既に年相応に流暢なものだった。みなと学園に入学した彼女は、幼稚園長の予想に反し、小学校を見事に卒業。現在中学2年生。だけでなく、卒業式の際には、卒業生代表として袴姿で答辞まで読んだ。誇らしげな姿だった。この彼女が私に言う。「私は先生と出会わなかったら、ここまで日本語を続けていなかったよ」。泣かせるではないか。私は思う。彼女に会うために、ビザも持たず、サンディエゴに勝手に移住してきたのではないかと。一匹狼?である私の、ありそうにもない存在価値を、彼女が認めてくれている。実に忘れられない、件 (くだん) の言葉を胸に、今日も生きる!  (Belle)
blue_line932
jinnno-san
落し物をした人を見たら、その場で拾って、その人に渡すようにしている、のに、それに反論する人物がいる! ビーチで隣の人の帽子が飛んでいってしまったので、すぐに拾ってあげようとすると、友達のH部長は「やめとけば」と言う。理由は不明 笑。反対を押し切って、拾って本人に渡したら、めちゃめちゃ喜ばれた。何もしていないH部長にも “Thank you!” と言って 笑。別の日に、ダウンタウンを車で走っていたら、歩行者が何かを地面に落としたのを発見。大声で呼び止めても聞こえなかったらしく、その人は反対方向へ歩いて行ってしまった。それでも諦めずに、駐車して、その現場に駆け付けたら、通行人がそのブツを拾い上げ、逆の方向へ歩き始めていた! 拾った人に「あの、コレ、あそこの人のだから!」と軽く説明して奪い取り 笑、持ち主に駆け寄り、肩を叩いて「車から落とすのを見かけて、それから車を停めて、それを他人が拾うのを目撃し、その人を追いかけて取り返し、そしてあなたも追っかけた」と、ゼイゼイ言いながら渡した 笑。自分的には一瞬の判断で、走ったのは部活以来!笑。めちゃめちゃお礼を言われて、めっちゃめちゃ嬉しそうだったのは、何故か一緒に走っていたH部長 笑。この映画のワンシーンのような展開が忘れられん! H部長は次回からは拾ってあげんだろうな 笑。(りさ子と彩雲と那月と満星が姪)
blue_line932
私の実家がある街は高齢者が多い。帰国するたびによく聞くのは、町内に流れる行方不明者を知らせる放送。80代以上の老人を中心に、外を歩いてどこかへ行ってしまい、迷子になって家に戻れなくなるケースが多発しているようだ。何年も前になるが、雨の中を傘もささずに歩いているおばあさんを見かけた。車を停めて名前と行き先を尋ねたが、長く実家を離れている私には、戻ろうとしている家がどこなのか想像もつかない。幸いにも、おばあさんを知る近所の人が現れて、送り届けてくれたので問題は解決した。これは他人事ではなかった。父も生前、近所のコンビニに行くと言って家を出たきり、丸1日見つけられなかった時があった。コンビニから家に帰る道を間違えて戻れなくなってしまったのだ。夜も眠らずに父を捜し続けたが、帰ってこなかった。結局、家から少し離れた工場の外で一夜を過ごしたらしい。夏だったので、なんとか生きて戻れたものの、真冬の寒い日だったらと思うと今でもぞっとする。あれから何年経っても、父が一晩一人で過ごした工場の前を車で通るたびに、胸が締め付けられる思いになる。きっと一生忘れないだろう。今では、高齢者を見かけると、何か困った様子はないかと、ついつい、しばらく見守ってしまうことがある。(SU)

(2022年7月1日号に掲載)
Featured

決断

 

米国生活も35年以上になると、抱腹絶倒の間抜け話、背筋も凍る恐怖体験、異文化ならではのエピソード、アメリカ特有の価値体系など、話のネタはいくらでもある。ワシントン州東部に暮らしていた1985年2月、ボールルームダンス競技に熱中していた私は、州大会への出場権を得て、パートナー (3年後に結婚) を連れてFWYを一路シアトルへ向かった。途中にはカナダ〜米国北西部に延びる難所、カスケード山脈がある。そこは氷河に侵食された急峻な山々が続く、6メートルを超える降雪量No.1の深山幽谷帯 (最高峰は4.392メートルのレーニア山)。競技会が終了した夜半前に雪模様となった。翌日の予定もあり、宿泊せずに日帰りする決断を下したが、真夜中に山脈を走行中、チェーンを準備していない事実に気づいて青ざめた。カーラジオが大雪警報とFWY閉鎖を伝えているが、もう引き返せない。空から綿帽子が重なり合って落ちてくるような、見たこともないドカ雪が降ってくる。視界ゼロ。窓から半身を乗り出し、運転を続けた必死のサバイバル。勢い余って「ROAD CLOSED」の路上サインを突き破り (交通管理局の方々、すみません)、死の淵から帰還した。中古車が故障したら凍死は免れなかったが、奇跡的に持ちこたえた。時として、常軌を逸した無分別な決断は蛮行となる。忘るまじ。(SS)
blue_line932
▽「スティーブ・ジョブズは、決断するエネルギーを無駄遣いしないために、いつも同じ服を着ていたんだって」。友人が教えてくれた。人間は最大、1日に35,000回の決断を下しているそうだ。決断を続けていると脳が疲労する。“決断疲れ” にならないように、自分にとって何が大切なのかを決め、他のことはルーティーン化すると良いらしい。極端に服が少ない自分は、無意識的に省エネモードに入っているような気がする。▽決断に悩んだら「4つのうちどの状況か」を見極めると良いらしい。因果関係も答えも分からない「カオス系」、原因が不明の「複雑系」、専門家の知恵が必要な「面倒系」、原因が明確な「単純系」がそれで、4つの状況を1ステップずつ軽くすることが必須とのこと。「カオス系」を試行錯誤によって「複雑系」にして、学びながら「面倒系」にする。アメリカの国防機関が採用して、成果を出しているらしい。▽モノの本によると、人生最高の決断ができる年齢は35歳とのことだ。130年以上のチェスの対局を調べて明らかになった。でもこれは、あくまで分析能力の場合で、新しいことにチャレンジをするなどして脳を鍛えさえすれば、言語や発想能力はパワーアップするそうだ。65歳過ぎに論文を発表したフロイト、65歳でKFCを創業したカーネル・サンダースなどを見習って、日々学び、成長していきたい。(NS)
blue_line932
自分は総じて優柔不断な人間だと思うのだが、事と場合によっては、決断を下すのが結構はやい。例えば服を買うとき。歳をとったせいもあるのだろうが、自分の好みもある程度決まってきて、色、形、素材 (もちろん値段も) で選別して、とっとと決めてしまう。ウィンドウショッピングは昔から苦手で、 目指すものを買ったら、とっとと他のことをしたい人 (笑)。レストランで料理を注文するときも、パパッと決めることが多い。夫の方が珍しく決断に時間がかかることが多く、オーダーした後に後悔する人に変身する確率も高くて面白い。△例外ももちろんある。先日、友人たちと、某国の料理を出すレストランにランチを食べに行った。その国で育ってきた友人からメニューを一つ一つ説明してもらいながら、どれをオーダーするか本当に迷ってしまった。食べたことのない国の料理を味わうのは楽しい! 次回もマイナーと言われがちな国の料理をトライしようと盛り上がった。△現在、画質の良いビデオを撮れるデジタルカメラを買おうと思っているのだが、どれにするか決断できずにいる。手軽に持ち歩いて撮影したいので、ミラーレスタイプのカメラが良さそうだけど、どの機種が優れているのか。リサーチすればするほど、賛否両論が次々と出てきて迷う〜。(RN)
blue_line932
suzuko-san
人の性格を血液型で占う方法がある。日本人の中で一番多く、約40%を占めるのがA型 (0型30%、B型20%、AB型10%) だ。A型人間の特徴は、我慢強く、義理を大切にする、という美点もあるが、一方で優柔不断という欠点もある。要は、なかなか決断ができないのだ。私はその一番マジョリティに属するA型人間である。我慢強く、義理を大切にする、という性格が当たっているかは疑問の残るところだが、決められない、というのは実に当たっている。ショッピングに行って気に入ったものが見つかっても即決できない。「ほんとに必要?」と自分に問いかける。そういう場合は、一度その場を去って、一晩よ~く考えて、それでも欲しいと思えば再び店に足を運ぶ。そんな時は往往にして売れてしまっている、ってことも多々。はたまた、同じパターンで、色違いの洋服を選択するのも一苦労。どっちにするか、迷いに迷う。そんな思いをしていたある日、誰かが私にアドバイスをしてくれた。「迷った時は2つ買うか、どちらも買わないか 」。目からウロコ。2つ買うと予算がかさむ。 かといって、1つに決められない。あ~めんどくさい、買っちゃえ~、となる。そうやって色違いで買った洋服が何組かあるが、いつも2つ買ってよかったと満足している。皆さ~ん、決断できない時は両方ゲットしましょう!  (Belle)
blue_line932
jinnno-san
ここ2年ほど、つまりコロナ禍以来、床に正座して仕事していることが多く (カウチではなく、その ↓ の床・・笑) 気が付いたら、いつの間にか、、立ったまま、靴下が履けなくなっちゃってた! 笑。他に、何ができなくなったかというと、足の爪がとっても切りづらくなった、背中の痒いところがが掻けなくなった、、。ちょっと待てよ? もしやして、、もしやすると、、と思い、、起立したまま両手をつま先にタッチしようとしてみた。つ・つ・つ・つかない! タッチどころか、膝ほどまでにしか手を伸ばせない! 笑。どーいうこと? おそるおそる、座って足をYの字に広げ、頭と両手を床に向かって曲げてみた。・・曲がらない! どころか1センチほどしか胴体を倒せない! ハードルを下げて、右腕と頭を、右足のつま先に向かって倒してみようとした。体は3センチほど傾くけど、膝の裏が、、き・き・切れるように痛い! 要するに、、、体が非常に硬くなっている!! わたしの自慢は体が柔らかいことだった、だけに、このショックは大きい。これでは人生ダメでしょ。健康にも悪いわ〜と、ここ数か月間、柔軟体操を継続し、元のナイスボディ (柔軟性以外の身体のパーツも 笑) に戻れるよう、決断をしたわたしで〜す。と、今日もコケそうになりながら、立ったまま靴下を履く練習~ 笑。 (りさ子と彩雲と那月と満星が姪)
blue_line932
物事を決めるのが苦手だ。自分でもかなり優柔不断だと思っている。自分の決めたことに自信が持てないため、すぐに誰かに相談したくなる。何か良い解決法はないかと、「決断」「苦手」などをGoogleで検索してみたら「決断力のない人の特徴と心理」という説明が出てきた。読んでみると、①頼みごとを断ることができない。②自分の考えに自信が持てない。③人の意見に左右されやすい。④全てに関してやることが遅い。⑤日常生活において人に甘えたがる。⑥ 無責任——などが出てきた。 ・・ほほ〜う、良いことはひとつもないし、胸にグサっとやられた感じだ。自分に心当たりのあることばかり。5人兄妹の末っ子で育った私は、何かあると姉たちの誰かに頼ることが多かった。いつでも「きっと誰かがなんとかしてくれる」という依存心がどこかにあった。自分に甘い性格は今でも変わっておらず、何かあると、旦那まかせにしたり、ギリギリまで物事を決められなかったり、ということが多い。子供が成長した今では、小学生の娘にまで「これどう思う〜?」なんて聞いてしまう。しっかり者の長女には、すでに頼りない母親に見えているようで、そんな私を心配そうに見守っている。私の優柔不断な性格は、多分、死ぬまで直らないだろう。(SU)

(2022年6月16日号に掲載)