September 15, 2025

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時間/サマータイム

 

 “史上最強のマイペース男” と妻に言われる。考えてみれば、子供のころから「時間を自分の都合に合わせる」傾向があった (困った性格だ)。▽小学生時代に固く守り続けていたルールは、帰宅したら、まず宿題を終わらせてから遊びに行くこと。友達と河原で野球をする時間に間に合わず、日没近くになって、グローブとバットを抱えて駆けつける。オレンジ色の夕日が一面に広がって、そこには誰もいない・・。▽中学生時代は遅刻ギリギリの登校を繰り返す日々。学校までの距離が遠いのに、時間を気にせず、朝に放映されていた面白いテレビ番組 (チャップリンの連続短編ドラマ) を観てから自宅を出ていた。私の姿を目撃して慌てて走り出す生徒たち。彼らの後を追い、校庭のホームストレッチでラストスパートをかけ、全員をごぼう抜きにするのが日課。校舎の窓から眺めていた野次馬から歓声が上がった。▽何をするにも手際が良すぎる妻は、仕事も家事もサッサと済ませる。月末の最終週になるとカレンダーをめくり、翌月にしてしまうので、それを知らない私は日付と曜日を間違える。妻はサマータイムを2日前からセットしていた。そうとは知らぬ私も1時間進める。余分なプラス1時間を誰が知る?「なかなか寝つけない」とつぶやく私に、 妻が「じきに慣れるわよ」。(SS)
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▽「だいぶ前に、日本にもあったよ夏時間」 と母が電話で教えてくれた。ワシントン州の大学に留学したばかりの頃、サマータイムを知って不思議な気持ちになった。生まれた時から1日は24時間だったので、「時間って、人間が決めた約束事なんだ」と感動すら覚えた。当時、高額だった国際電話でその驚きを母に伝えたら、冒頭の言葉が返ってきた。何でも、第二次世界大戦後の連合国軍占領期にGHQ指導下で導入されたらしい。でも、残業増加や寝不足を引き起こすなどの不評を呼び、3年ぐらいで中止になったとのこと。当時の人々やメディアは“サンマータイム” と表記していたそうです。▽1日24時間、時間は誰にも平等に与えられている。もっと上手に時間を使いたいと、ここ数年、取り入れているのが30分の昼寝。「午後3時までに15分~30分、パワーナップをとりなさい」 と主治医が薦めてくれた。横にならずにクッションを置いて、机上で伏せて寝る。昼寝前にコーヒーを飲むと、カフェインの作用で20分程度で目が覚める。身体にも脳にも良いらしく、最近では、昼寝を取り入れる企業も増えているそうだ。以前は、ランチの後に睡魔に襲われ、気合いで乗り切っていた。ちなみに、脳のゴールデンタイムを生かすためには、22時~23時までに就寝し、6時に起きて、昼に仮眠が良いらしい。(NS)
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▽サンディエゴに住むようになり、自分の中で時間の感覚が変わった。春がやってきたと思う頃、時計を1時間進める。日の入りが一気に遅くなり、明るい時間が長くなって夏気分に突入。そして、楽しかった夏が終わり、寒い季節がやってくるな〜と少しブルーな気分になる頃、時計を1時間戻す。夜更けが急加速する。1年に2回、時計を強制的に変えるという習慣をなんの違和感もなく受け入れるようになったのは、いつのことだったろうか。渡米前は、時計が早くなるとか、遅くなるなんてことは考えもしなかった。自国で暮らしている限り、時間は永遠に同じだった。それに対して、アメリカは同じ国の中でも時差が存在する。州によってはサマータイムを取り入れていないところもあるのだ。なんて自由気まま! 米国生活を通して、私の中で時間は絶対的な存在から、いくらでも変更可能な相対的な存在になった。▽最近は、いろいろなデバイスが自動的に時間をリセットしてくれるのでとても助かる。携帯電話を見れば世界各国の時間も一目瞭然。夏時間になったから、今は日本何時だっけ? などと悩むこともなくなった。時計変えるの忘れて遅刻しました〜などという言い訳も、もう通用しないんだろうな。(RN)
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絞り出すような声で歌い始める ♪Summer Time~♪…ビリー・ホリデイをはじめ、エラ・フィッツジェラルド、はたまたジャニス・ジョプリンなども歌った、このジャズのスタンダードナンバーをご存知の人も多かろう。 「ラプソディ・イン・ブルー」 「パリのアメリカ人」 などの作曲者、ジョージ・ガーシュインの傑作だ。調べれば1935年に初演されたオペラ「ポーギーとベス」の中で、不自由で貧しくとも心優しい青年ポーギーと、麻薬中毒の娼婦ベスによる悲恋物語が始まってすぐの場面で子守歌として歌われた楽曲。各場面で3回歌われ、それぞれのシーンで異なる印象を与えた曲ということだ。私も大好きな曲で、時々、口ずさんだりすることもある。それはさておき、このテーマの本来の主旨である夏時間。私が渡米した頃は4月の第1週が時間変更日だったが、約20年前から3月第3週に前倒しされた。なぜ? しかし、それはそれで大歓迎。夏時間になると、夜が徐々に明るくなり、その分だけ開放的な気持ちで暮らせる。夏時間大好き! 仕事が終わってもまだまだ明るいから、ベランダで音楽を聴きながら「My Happy Hour」を楽しむことも十分できる。資源節約を主目的に始まった夏時間ということだが、この日から、ますますHappy Hourが楽しめる。まさしく夏時間に乾杯!!!である。 (Belle)
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jinnno-san
夏時間は、夜が遅れてくる、みたいで、遅い時間まで外でフラついたりできて、ワクワクする。一番ドキドキする時間は、夕方が夜に変わる、マジックアワーと言われる数分間。サンディエゴなら、海岸沿いにいれば、どんな被写体でもそれなりに “映え“ して、誰でも綺麗に写ったりする (あー、そのー、いい意味で?) (どういう意味? 笑)。バックグラウンドが夕日なので、顔の細部の見なくてもよい部分や、髪型がどーのとか、服装も見えないし、笑、なんなら、顔がどアップでも、長いまつ毛だけがシルエットとして写り、こんなあたいでも映えること間違いなし! 笑! 波が奏でるバックグラウンド・ミュージックと、海と大きな夕焼けが背景だから美しいし、男児が横にいたら、マンガ (ドラマじゃなくて? 笑) みたいに超ロマンチック!、、これが故郷・愛知の田舎だったら、、、夕方になるとお寺の屋根と竹林がシルエット 笑。BGMはカーカー♪ カーカー♪・・・カラス 笑。普段は17時には家に帰ってたのが、この時期は男友達らと遊んで、帰宅を20時くらいまで勝手に延長、、“映え“ も考えずに、、 笑。今は川沿いの代わりにビアガーデンで帰宅延長、、“映え“ など、もっぱら気にしたことなーし。でも、マジックアワーは、顔の細かいところを消してくれますんで、やっぱ 夏時間、最高! 笑。 (りさ子と彩雲と那月と満星が姪)
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毎朝6時半に6年生の娘を学校へ送っていく。今までその時間は真っ暗だったのに、最近は明るくなってきたな〜と思っていたら、サマータイムが始まる季節だったのね。デイライト・セービング・タイム (DST) になると、明るい時間が宵の口近くまで延びて、我が家の娘たちの就寝時間がさらに遅くなるのが悩みの種。幼い頃から早く寝てくれなかった娘たち。11歳と10歳になった今では、夜の12時頃まで寝る気配がない。私も面倒くさくて、子どもたちに 「早く寝なさい」と注意しないのも悪いのかもしれないが —— 。長女はさすがに朝が早いので、午後10時には寝ないと睡眠不足になり、勉強に悪影響が出るのではないかと心配してしまうけれど、どうしてもミッドナイト近くの就寝となってしまう。私も長女の登校時間に合わせて朝の支度に取り掛かるので、午前4時半には起床。毎日の睡眠時間は約4時間ほどだ。さすがに歳のせいか、こんな生活を続けていると、午後3時半頃になると強烈な睡魔が襲ってくる。せっかくのサマータイムで、長くなった明るい時間が楽しめるはずなのに、体力がもたないのだ。サマータイムを満喫するためには、生活時間を改善する必要がありそうだ。(SU)

(2022年3月16日号に掲載)
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金持ち/金銭感覚

 

余計な買物はしない。生活必需品だけでOK。私は物欲の乏しい人間。そう思っていた。物欲欠落者の心理には、① 欲しいものは全て獲得済み、② 物質よりも精神性重視、③ 自己評価が低い、 ④ 無気力で他の欲求も低い、⑤ 絶対的な価値観がある ―― のいずれか、あるいは複数の要素が働いているらしい。自分は ② に近いかもしれないが、どうかな? 他の4項目は当てはまらない。ある夜、こんな夢を見た ―― Lotteryで巨額の泡銭 (あぶくぜに) を手にし、処し方に悩んでいる自分がいる。夢の中の私が取った行動は、古いパビリオンを買い取り、自分の名を冠した記念館として意気揚々と市民団体に寄付するというもの! 世間から売名行為との非難の矢面 (やおもて) に立たされ、自分の心根に宿る虚栄心の醜さにいたたまれず、仏門を叩いて「残金を全て寄進するので魂を救ってください」と高僧に懇願する。高僧 (夢によく出てくる) が言うには 「金の力で世人の尊敬、心の安泰など得られぬ。金の本質は “水” のごとし。水を掴 (つか) もうとするのは愚行なり。水の清々 (すがすが) しさを感じることで幸福になれる。お前は金で名誉を買い、その充足感を “豊かさ” と錯覚しているのだ」 もしかしたら、私の深層心理には鼻持ちならないスノビッシュな金銭感覚が巣食っていて、実は、悲惨な金の使い方をする人間なのかもしれない。(SS)
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▽「不動産物件を8軒もお持ちなんですね」「違うわよ!100軒よ!」。50年以上も前にサンディエゴに移住して、財を成した知人との会話。「はっけん」で驚いていたら、「ひゃっけん」と聞き、絶句した。世の中には、桁違いのお金持ちがいる。▽モノの本によると、お金に対する考え方は、両親の影響で決まるらしい。その金銭観はマネースクリプトと呼ばれ、「金銭忌避 (きひ) =お金は悪」「金銭崇拝=お金は神」「金銭地位=金持ちは偉い」「金銭警戒=お金は貯めるもの」の4つに分けられる。「どの傾向が強いか」は人によって異なり、スクリプトが歪んでいると、お金で不幸になってしまうらしい。診断テストはhttps://bit.ly/3N4Zf5k。▽自分は「金銭忌避」が高かった。実家は商売をしていたが、なぜか父は「赤旗」(政党機関紙) を購読。家でも学校でも、お金の話はタブー視されていたし、大人から「投資はギャンブル」と教えられた。▽フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ、投資の神様ウォーレン・バフェット、マイクロソフトのビル・ゲイツなど、多くのビジネス界の有力者が、財産を自分の子どもに残すべきでないと考えている。その理由は「普通であることや、お金、仕事に対するリスペクトを持たせるため」。金持ちはお金の本当の魔力を知っている。「されど金、たかが金」という逆説も真なり。(NS)
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yoko
子供の頃がちょうど日本のバブル時代だった。父の会社も景気が良く、恵まれた環境で育った。大きな家に何台もの車。親が「お金がない」「節約しないと」と言っているのを聞いたことがなかった。家には、いつも食べきれないほどのおやつや食べ物があった。休日に母と出かけると、外でお昼を食べた後、ケーキ屋さんでデザートを楽しんで、帰りにはパン屋さんでいろいろなパンを買っていた。買い物に付いていくと、欲しいものを何かしら買ってもらえた。家族で海外旅行にも行った。学生の頃、アメリカに短期留学を2回させてもらい、最終的にはサンディエゴへ長期留学させてもらって現在に至る。苦労もなく、幸せで甘々な子供時代を送らせてもらったのだが、自分の子どもに同じようにしてあげられないのが申し訳ない。子どもは小学4年生と2年生。幼くして、すでに「Is it expensive?」とか「I wish we were living in a bigger house.」とか「We don't have a lot of money.」とか言っている。甲斐性なくてごめんよ〜^^; (YA)
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suzuko-san
金持ちと庶民と。どこで線引きをするか知らないが、私の親友には誰が見ても「あの人はお金持ち」の類の女友達Aさんがいる。私の親友といえば、全くの庶民なのだが、Aさんの金銭感覚の不思議さをいつも私に話してくれる。Aさんは、いわゆる話題の提供者なのだ。親友によると、Aさんは某大手薬局のチェーン店のお嬢さん。大学卒業後、外でお金を稼いだ経験なし。芸能人が通う有名校の学長の息子と結婚し、2児を授かった後に離婚したが、結婚時代も夫が稼ぐお金より、彼女が父親から譲り受けた財産を活用したアパート経営の収入がはるかに多かった、というラッキーな人。その彼女の金銭感覚が実に面白い。5割引きだったからと500万円の絨毯をポンと買ったり、家族旅行は常にビジネスクラスで飛行機代の200万円も平気で払うのに、普段は驚くほどの節約ぶり。あちらの豆腐が10円安いからと走ったり、新宿まで乗ると切符代が240円、手前で降りると180円だからと、一駅前で降りて、汗だくで待ち合わせ場所に現れたり。大酒飲みなのに外では高いからとビールも頼まない。旅館の余ったご飯は必ずビニール袋に入れて持ち帰る・・などなど。挙げればキリがない。金持ちと主婦のケチケチ感覚が混在している。この金銭感覚はどこから来るのか、彼女の周りの全員が不思議がっている。 (Belle)
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jinnno-san
わたしは、見かけによらずソーシャルではないので、友達の数は少ないけど、知り合いの多彩さは自慢できる 笑。車に寝泊りしていたおじさんもいれば 笑、入獄経験者、エリート商社マン、ハリウッド女優、有名なお寺のご住職、世界的に著名な手品師に大道芸人。中には、左団扇の友達もいる 笑。その彼のお客さんは超がつくお金持ち 笑 ばかり。相手へのプレゼントを探していて 「何買うの?」と聞いたら、ピカソの絵 (オリジナル) だって! 笑。お店の人に「あなた、本当に買えるの?」って怪しまれたって 笑。お客さんに接待飲食店へ連れてってもらい (彼は、キャバクラ特訓でゲコを克服 笑)、ロマネコンティを5本入れる (1本100万円以上 爆!!)、とか 笑。そりゃあ、飲めるようになるわ 笑。お昼ご飯を食べに、プライベートジェットで北海道に連れていってもらった、とか 笑。そんな友達が、お客さんがらみの事件の証人として、警視庁で取り調べを受けた。友達は警視庁では絶対に『太陽にほえろ』のように、岡持ちから美味しいカツ丼が出てくると期待していた 笑。しかし! 警察は奢 (おご) ってくれない 笑。渋々、売店でパンを買い、寂しく食べた 笑。お金があっても使えなきゃ、意味なーい 笑。だから使えるときに、パーっと使ってるわたしがいるのよ 笑 (→ そう、わたしはお金持ちでなくとも、気前だけは超一流!笑)。 (りさ子と彩雲と那月と満星が姪)
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子供の頃から、必要なものや欲しいものは、ほとんど両親が買いそろえてくれた。それが普通の家庭だと思っていたけれど、実は、割と裕福といえる環境で育ててもらっていたことを成長するにつれて知った。「買うなら、良いものにしなさい」と、いつも、その時代の最新グッズを買い与えてくれた。だから、自分自身が大人になって働きだしてからも、お金を貯めては「どうせ買うなら、良いものを」という感覚でショッピングをしていたが、家庭を持つようになってからは、そうもいかなくなってしまった。私に両親のような稼ぎがあったのなら、それで良かったのかもしれないが、現実はそうではないので、徐々に目指す店が変わり、安いものばかり見てしまうようになってしまった。かつては、わざわざセール品を探しに特定の店へ向かうことに嫌悪感を覚えたが、今では、自分の服などはクリアランス・セールも狙い目。「せめて、子供にだけは良いものを」との親心から、在庫処分では買わないと決めている。あ・・でも夫のT-シャツはいつも$10前後だ。すぐに食べ物をこぼす人だから。なんだか歳を取るにつれて、貧乏臭くなってきているような気がする。30歳前後で金持ちになる予定だったのに・・。(SU)

(2022年4月1日号に掲載)
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スピード

 

▽幼い頃、交番勤務の若い巡査さんに絶大な信頼を寄せていた。河原の泥濘 (ぬかるみ) にハマって動けない私を発見し、自転車から飛び降り、驚くべきスピードで救出してくれたことがある。お巡りさんこそ、世界一のスーパーヒーローだった。交番へ行くとチューインガムやキャラメルがもらえた。夏にはスイカまで出してくれる。「気が優しくて、正義感にあふれるお巡りさん」「警察官は現代の救世主」という、子供心に揺るぎない固定観念を持っていた。▽ “海水浴デビュー” を果たした6歳の夏。8月下旬の太平洋は荒れていた。容赦なく強風が吹きつける海岸。父と弟は海水浴へ。 隣りにいた母と叔母の姿がなく、心細くなった私は警察の救護テントに駆け込む! 大音響の拡声器で「お子さんを保護しています!」と呼び出された父が、息を切らして私を迎えにくる。2度目は母の帰りが遅くてパニックに陥り、またもテントに猛ダッシュ! 再びマイクロフォンで呼び出される家族。両手にかき氷を持った母が、遠くから必死に追いかけてきたのも知らずに・・。3度目はビーチパラソルが飛ばされ、もはやこの世の終わりとばかりに、お巡りさんを目がけて一目散! 弟を背負った叔母と両親が必死に追いかけるも、脱兎のごとき猛スピードで駆け抜ける少年を止めることはできなかった。(SS)
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▽スピードスケート女子団体追い抜き (パシュート) で転倒し、金メダルを逃した日本人選手3人が見せてくれた笑顔が話題になっている。目を赤くして肩を組む3人の姿をファインダー越しに見ていたカメラマンが、レンズを向けたまま泣き始めてしまい、そんな姿に気づいた3人が「いや、そっちが泣くのかー!力が抜けるわ 」と、彼の号泣ぶりを見て涙顔で大笑い。カメラマンの熱い心にも感動を覚えた。▽世はスピード時代。美味しい料理を届けてくれるフードデリバリーが人気なのも不思議ではない。でも、Uber Eats や DoorDash にハマっていた知人が「料理ばっかり届けてもらっていたら、楽しみが消えてしまった。だから、レシピ付きの食材を頼むようにしたの」と教えてくれた。食品ロスがなくなり、レパートリーも増えて、とてもハッピーな様子だ。▽「老化のスピード、止まったよ!」美しいレオタード姿の写真が友人から届いた。健康診断で肝臓の数値に異常が出た彼女は、一念発起して減量に成功。還暦を過ぎて美魔女に変身した。16時間断食ダイエット、週3日/1日30分のHIITトレーニング、7〜8時間の睡眠、30分の昼寝を続けているとのこと。「座ってばかりいる人のテロメア (命の回数券) は短いらしいよ」との友人の言葉にビビり、急いでミニトランポリンに乗り、ヘトヘトになっている自分が情けない。(NS)
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スピードやスリルを楽しむ乗り物は苦手だ。アミューズメントパークのスリルライド、命綱ひとつで高いところから飛び降りるバンジージャンプ、飛行機からパラシュートで地上に降り立つスカイダイビング —— 。スピードやスリルが好きな人は、そのために長い列に並ぶのも、高い料金を支払うのも苦にならないんだろうけど、私は、たとえ報酬をもらえると言われてもやりたくない。乗り物のスピードは苦手だが、生活上でのスピードは大事だ。仕事はもちろん、日常のこまごました用事、洗い物、片付け、料理など、必ずやらないといけないルーティーンは手際よくサッサと終わらせたい。食べるスピードも、子どもができてからすっかり早くなった。子どもの頃は「何をするのも遅いねー。あなたはのんびり屋さんだねー」と、よく母に言われていたものだ。おっとり、のほほんと育ったはずなのに、すっかりせかせかした大人になってしまった。たまには立ち止まって、何も考えずに景色を楽しんだり、ゆったりと過ごしたりもしようと思っている。 (YA)
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世の中には “スピード狂” と呼ばれる人たちがいる。元旦那もその一人だった。彼はかつて「レーシングチームを持っていた」と言い、事実、4台の車のうち、1台はリタイアしたレーシングカーだった。レースを諦めた彼はTVでレース中継があると食い入るように見ている。画面の中の映像は、時々、車が事故を起こして観客が騒然となる以外は、サーキットを唯々、車がぐるぐる周っているだけ。全く興味のない私には「何がそんなに面白いのん?」・・まぁ、それはともかく、そういうスピードには無関心な私であるが、実生活ではスピードが私をかなり牛耳っている。例えば、寝つきがいいこと。ベッドに横たわったら、ものの数分で夢の中。食べるのも結構早い。 この年にしては、歩くのもかなり早い。私は普通に歩いているつもりでも、見る人からすれば「いつも走っている」。確かに、階段は2、3階なら必ず走って上がるし (これは癖?)、廊下も結構走っている。歩いたところで、数秒ほどしか違わないと思うのに、それでも走る。何か事を処理するにも、だらだらではなく、さっさと済ます、片づける。もちろん、その分だけ仕事は決して丁寧ではない。そんな折、ある友人がマグネットをくれた。そこに書いてあったのは 「スピードよりコントロール」。あら、見てたのね~。 (Belle)
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水着のSpeedoを思い浮かべて、ププって笑ってしまう。なんと、短パンデニムのSpeedoもあったんだって! (今、イメージでググって発見!) (なんで、ププってなるのか、あなたもイメージをググって、試してみて 笑)  “速さ” のスピードで言えば、、先日、一番年上の甥っ子、マー君 (姪っ子ばかりじゃあないよ 笑) の結婚式が東京で行われた。甥姪の中で初めての結婚だったし、彼は自称・神童だし 笑、出席したかった!けど、招待されなかった!笑。コロナ禍+こじんまりした式だから、招待客は30名ほど。両家+友人+当事者でもう定員オーバー。わたしが参加した場合、友達のH部長も連れていく予定だったので 笑、問題外だった 笑。通常は6人掛けの丸テーブルに4名だけ。プラスチックの仕切り付き。他のテーブルへのお酒の注ぎ回り禁止、カラオケなし、出し物なし。出席した独身の妹に、ついでに婚活せよ!と指示を出したけど、挙式とプールサイドでの綱引きのようなブーケトス、隣の披露宴会場で食事して、祝辞を聞いて、ざっと3時間ほど。は、は、はっ、ええエーーー! 婚活する時間なし!笑。わたしの経験では、結婚式は三日三晩のジプシースタイルなので、参加してたら、このスピードについていけなかったわ! (一人で二次会してたわ!笑)。 (りさ子と彩雲と那月と満星が姪)
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▽スピード違反チケットを大量に切られたことを思い出した。5年ほど前、子供の学校イベントに参加するため車で向かい、駐車場を探していた時のこと。引っ越してきたばかりで、学校の駐車場の入り口が分からないまま、イベントの始まる時間が迫ってしまい、急いで校舎の周りをグルグルと行ったり来たりしていたら、近くにスピード違反を取り締まるカメラが設置されていて、その前を通るたびに、しっかりと撮影されていた。立て続けに8回ほど撮られていたようで、しばらくして自宅に高額な罰金のチケットが届いた。目玉が飛び出る金額なので裁判所に出頭して交渉し、半額くらいまで減額してもらったが、裁判官に名前を呼ばれて立った時は、とても恥ずかしく、犯罪者の気分になっていた。あんな思いは二度としたくないので、車で学校の前を通る時は必ず20マイル以下で走っている。▽日本のディズニーシーで乗ったアトラクションの「タワー・オブ・テラー」が怖すぎる。並んでいる時から悲鳴が聞こえていたが、 乗り物が上下するだけで、大したことないとタカをくくっていた。甘すぎた。暗闇の中で何度も上昇しては、ものスゴいスピードで落下を繰り返す。あと数回ヤられていたら死んでいたと思う。もう二度と乗らないと心に誓った。(SU)

(2022年3月1日号に掲載)
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待ち合わせ

 

20代初めの頃、新古今和歌集が愛読書という◯◯さんとの初デートを1週間後に控え、私は焦っていた。センスの良い男を印象づけたいと、入念なデートプランを練りに練って当日に備えた。映画、観劇、音楽会の中から「N響コンサート」を選んだものの、夕食場所が決まらない。日記を読むと、グルメとは縁遠い自分が背伸びしていたのが窺える。当時の人気レストランから候補を3店に絞った。シビエのグラーシュが一押しのドイツ料理G店 (渋谷)、フルコースが評判のフランス料理L店 (新宿)、フォアグラのポッコンチーニが絶品のイタリア料理K店 (六本木)。事前に各店を巡り、実際に注文して最高の料理を厳ぶという涙ぐましい努力も…。待ち合わせ当日。大過なく初デートを終えて帰宅した私は、拘束から解放された人質のように疲れ果てていた。その後、会うたびに異様な疲れ方をする自分に気づき、付き合いは自然消滅。そして10年後、私は◯◯さんとは似ても似つかぬ元気な△△と結婚する。かたや文学的な正統派美人。こなた「NHKのど自慢」で抱腹絶倒している超庶民派。笑うために生まれてきた女。待ち合わせにプレッシャーなど微塵もなく、2人で寄席やB級グルメの大衆料理を楽しんだ。エエカッコシーでは「幸せ指数」を高められない。地味でも心の底から笑える人生が良いのだ…。(SS)
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▽学生のころから「待ち合わせは書店で」と決めていた。約束の時間まで情報収集ができて、遅れた相手に「本を探してたから」と伝えられた。本をきっかけに、初対面の相手とも会話をスムーズに始められた。今はスマホがあるので、暇つぶしには事欠かない。▽自分は「時間を守る」タイプだ。当然のマナーと思っていた。でも「このヒト面白い」と思える人は、皆一様に遅刻の常習犯が多い。だけど、会話がはずんで楽しい。だから、誰に対しても、時間の正確さを求めないようになった。▽時間を守ることは大切だけど、そこには特別な価値が生まれないような気がする。例えば、「遅れずにピザ届けます」よりも「焼くのに時間かかりますけど、極上のピザ届けます」のお店に注文したくなる。▽いつも会議に遅れてくるヒトが、意外なアイデアを出したりする。時間を分単位で守る「べき論」よりも、もっと「夢中」になっていることを優先させている気がする。ユニークなアイデアは、時間にルーズなおおらかさから生まれくるのかもしれない。▽マイペース人間のクレージーなアイデアを実践に移すには「時間を守ること」に命をかけているような人が不可欠だ。世の中には、時間に厳しい人もいれば緩い人もいて、両方のタイプの人間が必要だ。「待ち合わせ」に対して、自分にも他の人にも、もっともっと寛容になりたいと思う。(NS)
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△私の友人で、待ち合わせの時間に必ずと言っていいほど遅れてくる子がいた。15分程度は遅刻の枠には入らず、最長2時間近く待ったことがある。「あと◯分で着きます」と途中で何度か連絡が入り、到着すると、とても申し訳なさそうに何度も謝るのだが、次も同じことを繰り返すのだ。約束の時間の少なくとも数分前には待ち合わせ場所に着いていたい私は、最初の頃はイライラして「時間を守れないと、社会に出て苦労するよ」などと、生意気にもお説教を垂れたこともあった。でも、気の合う友達だったので、その子との待ち合わせは準備をして臨むようになり、心の平静を保つことができた (笑)。 △友人との待ち合わせに限らず、病院の予約など、約束の時間には余裕を持って間に合うようにしてきた私だったが、子供が生まれてから状況が一変。小さい子がいると予定通りに行かないことが多すぎた。ドクターアポにギリギリに到着したりが何度かあって、 余裕の幅をさらに広げて対応するようになった。普通なら5分で終わることは15分かかると予想して行動するなど。それでも遅刻したな〜。待ち合わせに遅れてくる人には、それぞれ止むを得ぬ事情があるんだと、暖かい目で見られるようになった。子育てを通して、自分もその辺、ちょっとだけ成長できたかな。(RN)
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昨年、ある人と待ち合わせて、ありえない! 続けて4回トラブったことがあった。事の始まりは…一緒に歩こうと待ち合せた場所に現れない。時間にルーズな人ではないから、何か事情がと、連絡を取ろうとしたら、シマッタ! 携帯を忘れている! 慌てて店の人に電話を借り、彼女にかけたが、彼女は見知らぬ番号ゆえ電話に出ない。で、何度も何度もかけて、やっと20分後に通じて聞いてみると、同じ店の別の場所にいるという。そして今日はもう帰る、とも。次は彼女も行ったことのある店での待ち合わせ。私のミスで、場所は正しいが、似ていて異なる店名を伝えてしまった。彼女はその別店名でググり、全く別の場所に。自分もその店で食べたことがあるのに、変だと思わず、なぜ方向違いの場所に行く? で、3度目。彼女も知っているPBの店で待ち合わせるも、今度は彼女の勘違いでスペルを間違えて入力。結果、SDSU方面へ。で、今日は疲れたから帰ると。西に向くはずを東に向かう。それを変だと思わないのかと、とても不思議だった。4回目もほぼ同じ状況。で、私もちょっと切れて「どうして私が伝えたことでなく、ナビを信じるのよ!」。人の言葉や自分の記憶より、スマホに頼る。待ち合わせって、かくも困難なことだったのか? 待ち合わせの情報交換は念には念を! はい、肝に銘じます。 (Belle)
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日本では「じゃあ、どこどこ駅の、北口前でねー」とか「地元ならスーパーは1件だから、ソコ」みたいにかるーく約束して、何事もなくこなせていたことが、文化の違う国ではどれだけ難しいかと、今思えば、よくできたわね、みたいな経験がある 笑。他の友達とは、こんなはっちゃかめっちゃかな条件での待ち合わせは絶対ムリ 笑。①バラバラな場所から集合。スコピエから2名、イスタンブールから3名、わたしはブカレストから。②Wi-Fiが普及してなくネットカフェでしかメールチェックできない。 ③イスタンブールから列車に乗り、ベオグラードで降りるので駅で待て。以上 笑。わたしは1人で、ベオグラードの無人駅で待った。誰もいない 笑。数時間後、誰かがわたしの名前を呼ぶ。スコピエ組が到着。でも、列車が来ない。一応、携帯でメールが見れるか確認したら、イスタンブール発の列車に遅れ (笑)。今日は着かない、到着は明朝。「えーー! 駅で野宿!?」。続きがあって「駅の前を500mまっすぐ、看板を左に曲がり、右手のビルの鉢の下に鍵があるから、それで2階の部屋に入り、寝ろ」笑! 3人で歩いて部屋を見つけ、床に横になる 笑。翌朝に列車が到着! ハラハラもんだったはずだけど、何事もなかったように (笑) トラベルは続く。大道芸人ミュージシャンたちとの珍道中体験は、まだまだあるよー! 笑。 (りさ子と彩雲と那月と満星が姪)
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昔は待ち合わせをするのが大変だった。携帯がないから、待ち合わせ場所に遅れそうになっても、友達がすでに家を出てしまっていると連絡の取りようがなかった。遅れると分かっていながら、ただひたすら急いで、待ち合わせ場所にたどり着くしかなかった。今はスマホのおかげで、遅れそうになる場合は前もって連絡することができる。さらにGoogleマップで行き先を設定すれば、交通状態も含め、到着時間を相手に伝えることもできる。とても便利な世の中になったものだ。だからといって、約束の時間に少し遅れてもいいとは思っていない。自分ひとりの時は、待ち合わせ場所には早めに着いて待っていることが多い。しかし、子供を持つようになって、何度か遅れてしまったことがある。幼かった頃は私がすべてを支度して、娘たちを抱えて家を出ればよかったので、まだ時間通りに動けたが、少し大きくなってくると大変になる。自分でやりたがる年頃になり、親の言った通りに動かなかったり…。正直言って、賢い大型犬を扱う方が楽なのではないだろうか。そんなこんなの経験から、最近は外出する時、子供たちに出発する時間を早めに伝えて支度をさせる。そして早めに家を出て、待ち合わせ場所の周辺で時間を潰すくらいの余裕を心がけている。(SU)

(2022年2月16日号に掲載)