Tuesday, 25 June 2024

ドキドキ/ハラハラ

 

大型連休を挟んで帰省して、新幹線に乗った。日本では岸田首相襲撃事件の記憶も冷めやらぬ中、G7広島サミットを間近に控え、対テロ厳戒態勢の下で交通機関の取り締まりも厳しくなっていた。私の隣の座席には、レジ袋に包まれた不気味な「何か」があった。そこに乗客はいない。空席? それとも誰かが座席確保の目印として置いたのか? まさしく正体不明の「不審物」。5分、10分、15分が過ぎても人が戻ってくる気配はない。気になりだすと、妄想が際限なく頭の中に広がっていく。中身は何だろう? よもや危険物? 触れたら爆発する? 良からぬ憶測がエスカレートして、居ても立ってもいられなくなった。防護服に身を固めた乗務警備員が来たら報告しようと決めていたが、彼らもなかなか現れない。そのうち「不審物をお見かけの方は、直ちにご連絡ください」との車内アナウンスが流れて、私のドキドキ/ハラハラ度はMAXに達する。いっそ座席を離れようかと思ったが、連休中の混雑から空席が見当たらず、逃げ場もない。命を落とす前に、遺書となるメモを妻宛てに書き残そうかとも考えた。20分も経過した頃だった。ガラガラと耳障りな音を立ててスーツケースを引いてきた大柄の中年婦人が、私の視界を遮 (さえぎ) って隣に座り、袋から特大の弁当を取り出して豪快に食べ始めた。(SS)
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▽今年のWBC「侍ジャパン」の準決勝と決勝は、ドキドキ、ハラハラ、そしてヒリヒリした。私は小心者で、自分が応援する選手やチームのゲームをリアルタイムで観戦することができない。彼らが勝利を収めた後に、名場面を繰り返し観る。友人にそのことを話したところ、彼女の夫も同じような傾向があるとのこと。試合後、WBCのハイライトや、歓喜に沸く日本全国のニュースを何度も見返しているらしい。▽50代の8割はどこかに引っかかるという健康診断。特に「再検査」の結果を聞くときはドキドキする。健康オタクの知人は70歳から健康診断を受けないようにしたそうだ。検査の数値に一喜一憂するより、逆に健康診断を受けないことが精神衛生上で良いとの考えのようだ。▽「北朝鮮からミサイルが発射されたものとみられます。建物の中または地下に避難してください」。5年ぶりに沖縄へ帰省していた友人は、5月31日の朝に突如としてJアラートの警報を耳にした。那覇空港にいた彼女は、スマートフォンが一斉に警報音を鳴らし、周囲に響きわたるサイレンを体験。皆が不安げに見つめ合い、空港のスタッフにも緊張が走り、業務が一時停止したとのこと。警報が解除されたのは午前7時過ぎ。「初めてJアラートを聞いたけど、ドキドキしたよ」と友人。万が一のことを考えると不気味だ。何だか、大変な時代に生きていると思った。(NS)
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日本に旅立つ当日。ロサンゼルス発の便に乗るため、サンディエゴからLAXへ車で送迎してもらうことに。外の景色を眺めながら、忘れ物がないか、頭の中で確認している私。パスポート、チェック! グリーンカード、チェック! コンタクトレンズ、チェック! 何度も念を押して大丈夫なはずなのに、ここぞという時、うっかりミスをする自分をよく知っているので、気は抜けない。確かに、大事なものはちゃんと持ってきている。安心して、久しぶりの日本に思いを馳せる。そろそろ空港に着く頃、私の斜め前に座っていた弟が「僕、そういえばパスポートがないんだよね」と呟いた。私は耳を疑った。「今なんて言った?」「パスポートないの。コピーは持ってるけど」と言って、カラーコピーされた紙をペラリと私の目の前に差し出してきた。「パスポートなかったら出国できないよ! いつからないの!?」と慌てふためく私をよそに、微笑む弟。いつも冷静沈着で生真面目な弟がしでかす、失態とは到底思えない失態。今さらサンディエゴに戻ってパスポートを探す時間なんてないし。どうしよう〜! 心拍数が一気に上がりパニックに陥る私。と、ここで目が覚めた。夢で良かった! 起きてもしばらくドキドキが止まらなかった。5年ぶりの日本帰省が2週間半後。母国で暮らす弟に、この夢の話、絶対しようと思っている。(RN)
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suzuko-san
この春、南米から帰路に就く飛行機に搭乗した際に、かなり揺れた。私はしょっちゅう旅客機に乗っているが、これほどの揺れは久しぶりだ。同行の友達は、墜落するのではないかとハラハラしている。ところが、この私。飛行機はちょっとやそっとの揺れくらいでは決して落ちないことを、ある航空会社のキャプテンから聞いて知っている。故に、ハラハラもしない。ああ、つまらない。たまにはドキドキしたり、ハラハラしたい! そんな感情と出会うのも人生のスパイスとしてウエルカムなのになぁ・・。人間、歳を重ねてくると、酸いも甘いも噛み分けてきているので、そうそう胸がドキドキしたり、ハラハラしたりする機会が少なくなる。私のこれまでの人生は “スーパー波乱” と呼べるもので、他人がなかなか経験しないような “高波” を何度も乗り越えてきた。そのおかげ?で、私の神経が図太くなっているせいもあるだろうが、近年、いつドキドキ/ハラハラしただろうかと考えなくてはいけないほどだ。う~む。と考えていたら、あった、あった、ドキドキが。「新生活は宝物。これから始まるドキドキもハラハラも一つ一つが宝物。心が動き始めたら、さあ新しい宝物を探しに行こう」。これ、なんとドキドキするフレーズだろう。実は、コロナワクチン、ファイザー社のコマーシャル。最後にスポンサー名が明かされるまで、違う形でドキドキしたわ。(Belle)
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jinnno-san
今までずっと中古車に乗ってきた。各車それぞれの走りがとてもユニーク!(良く言えばね 笑)。そして全てがドキドキ・/ハラハラもん 笑。「Ford Escort 1984」:人生初の車。マニュアル車で、サンフランシスコの坂道発進がムズいと知らず 笑、道中エンスト、見知らぬ人にケーブルを貸してもらう 笑。「Jetta 1988」:ティフアナの渋滞国境に並ぶとエンストするので、後ろの車に「ぶつけながら押してね」と頼む 笑。「Dodge Colt 1986」:雨が降るとエンスト 笑。雨が止んで車が乾くと運転続行可 (ナゾ)。「Kalman Gear 1972」:ピンク色のコンバーチブル、とにかく目立つ 笑。ラホヤの急坂は1速運転のみ 笑。足元に穴ありなので、地面丸見え 笑。「Alfa Romeo Milano 1988」:フリーウェイで2速でも100マイルに到達するはっええ車。「VW Bus 1977」:キャンパー仕様。今の時代、あったらいいよねぇ〜。「Ford F-150 1987」:足がギリ、クラッチに届く、ギアが横向き仕様のデカいトラック。運転大変 笑。「Dodge Ram Van 1980」:ドラマ「Dr.チョコレート」車。今流行りの車ってこと 笑。後ろ窓だけなので、バック要注意。「Dodge Ram」以外はマニュアル車。車遍歴がありすぎて、書き切れん!! 笑。続きは飲み屋で!(会えるかな—? 笑)。(りさ子と彩雲と那月と満星が姪)
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昨年、日本に一時帰国する時、空港で久々にドキドキする出来事が起きた。チケットカウンターでチェックインを済ませ、セキュリティーゲートも問題なく通り、余裕で搭乗ゲートへ向かう。チケットにゲートナンバーが見当たらないことが気になったが、日本人もチラホラ歩いていたので、同じ方向へと歩いていき、▲▲航空・東京成田と表示されているゲートに着いて、搭乗開始までそこで待機していた。搭乗手続きが始まり、チケットを見せると、係員が大声で「Wrong Ticket !」と言い放ち、冷たく突き放された。「はぁ!?」▲▲航空・東京成田便だよね?? よく見ると、便名が違う! なんてこった! でも、もっと優しく言ってくれてもいいのに〜! とても恥ずかしかったが、そんなことも言っていられない! すぐに正しいゲートに向かわなければ、乗るべき便の搭乗手続きに間に合わなくなる。急いで2人の娘と一緒にゲートを探して走った。遠くなければいいけれど・・と願いながらひたすら走った。今度こそ、私たちが乗るはずの▲▲航空・成田行きの搭乗口に辿り着き、滑り込みセーフ! もう間に合わないかとハラハラした。子供たちも「日本行けないの〜?」と泣きそうになりながらも、私と一緒に頑張って走ってくれた。ありがとう、娘たち。今年は間違いがないように、しっかりとゲート番号を確かめるからね。。(SU)

(2023年6月16日号に掲載)