Saturday, 07 September 2024

記憶

 

▽大谷翔平選手の豪快すぎるスイングには、ボールを遠くへ飛ばすテクニックというより、巨獣を一刀両断に叩き斬る壮絶なパワーを感じてしまう。悠然とダイヤモンドを回る勇姿に、ギリシャ神話に登場する「巨大な伝説の生物」を思わずにはいられない。彼は球界のペガサスなのだろう。韓国では大谷翔平の成長物語を綴った漫画が大人気。考えてみると、私は少年時代に『巨人の星』の漫画を読んで人間心理の側面から野球に興味を抱いた記憶がある。今では、スーパースター『オオタニ』が最高の大舞台で燦然と輝き、後から教育マンガとして深く意味づけされている。少し「流れ」が違う。▽テニスのイン/アウト確認に精度99.9%のハイスピードカメラが大活躍 (元来は弾道ミサイル照準用)。来年からエレクトロニック・ラインジャッジ (電子判定技術) も導入される。MLBにも「チャレンジ制度」 (ビデオ判定要求) はあるが、判断を下すのは人間の目。アーマンド・ガララーガ投手 (タイガース) の「2010年幻の完全試合」 (最終打者の一塁ゴロを塁審が内野安打と誤審) はデジタル技術の前では起こらない。ヒューマンエラーで栄誉を逸したが、彼の名は歴代24人の完全試合投手よりも記憶に残り、その不運は情感に強く訴え続ける。むしろ、微妙な誤差こそが、スポーツを人間味のある競技に仕立てている? (SS)
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▽ハーバード大学の最近の研究によれば、「勉強後30時間以内」にしっかり寝ると記憶が強く定着するとのこと。脳は睡眠中に記憶を整理し、強化し、重要な情報を長期記憶として保存する作業をしているらしい。推奨される睡眠時間は、大人(18歳以上)は7〜9時間、青少年(14〜17歳)は 8〜10時間、学童(6〜13歳)は 9〜11時間。その昔「四当五落」という言葉があった。「4時間の睡眠なら合格するが、5時間も眠っているようでは合格できない」と先生が叫んでいた。でも、眠ることも勉強の一部。今は「八当五落」の時代かもしれない。▽「すっごく笑えるから、聞いて!」と、友人が森山良子の新曲 Ale Ale Ale のリンクを送ってきた。「♪ ああ あの時のあの Ano Ano Ano、あの人の名前がでてこない、ほらあの時会った あの人なの、もうわかってるのに思い出せない♪ほらあのとき食べた Ale Ale Ale、あの店の名前も出てこない、あなたと行った いえあなたじゃなかった、じゃあ だれ それは だあれ」。 確かに、年齢を重ねるたびに、記憶が薄らいでいく。あれよあれよと言う間に、あっという間に時は流れ、あんなに恋焦がれていた初恋の人の名前も出てこなくなってしまった自分に、呆然としている。。。。(NS)
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以前(12、13年前まで)は、記憶力には自信があった。子供の頃にトランプゲームの神経衰弱 (Memory Matching Game) が得意だった。学生時代には暗記が得意で、暗記をすればいい世界史や英語のテストの点は良かった(でも、漢字が苦手だったので日本史は苦手だったが...)。他にも周りの人が思い出せないことを当てることもできた。それが、年齢が行ったせいか、子育てや家事、仕事で毎日忙しいからか、物忘れが増えてきた。やろうと思っていたことを忘れたり、日用品の買い物で買い忘れることがあったり、娘に「こんなことあったよね」と言われた出来事を全く覚えていなかったりする。そこで『記憶力が落ちる原因』をGoogleで調べてみた。「記憶力の低下は、自然な老化現象。加齢に伴ってほぼ確実に起きる」と書かれていた(T-T)。さらに、「記憶したことを思い出すには集中力が必要で、複数のことを同時に行っている人は物事を忘れやすい傾向がある」ともあった。記憶力を高めるトレーニングを始めてみようかと思う。そういえば、昔、ニンテンドーDSで「脳トレ」やったな〜。 (YA)
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suzuko-san
コロナ禍が収束してから、日本に帰る機会をより多く作っている。両親が他界してしまった身としての帰省先は、姉の嫁ぎ先。よって、姉と過ごす時間がここ数年、顕著に増加中。彼女との会話で、よく過去の話が出てくるが、私がまだ幼き頃、記憶の端にも残っていないような時代のことを、6歳違いの姉はよく覚えていて、私の欠点を始めとする、恥さらし的な話を旦那さんの前でよく話す。普段、エラそうにしている私の鬼の首でも取ったかのように。ムカつく! かく言う私も、人が持ち出されたくない事柄や話題など、本人が忘れていることはよく覚えていて、それらを暴露して嫌がられたりしているから、同じと言えば同じか・・。話は変わって、私は限られたお金を物質ではなく、記憶に残るものに使う方を好む。物を買い集めるより、そのお金を映画やショー、コンサートや旅行など、形に残らないものに使う。物に囲まれて暮らすより、世界のあちこちで人々と触れ合ったり、世界遺産などを訪ねたり、何げない村で出会った人たちと交流したり、その土地の美味しいものを頬張ったり。我が身の自由が失われかけた時、そういう記憶の中を自由に旅して余生を過ごす時間を「実の豊かさ」と心得ているから。この身が動くうちは、老後のために、せっせ、せっせと思い出づくり。初老人よ!! 書を捨てて街に出よう!!ってなものだ。(Belle)
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jinnno-san
ドライバーズライセンスのテストを受けたときのことを、よーく覚えてる。日本人の友達から「日本語の筆記試験もあるけど、日本語がヘンで分かりづらいから、英語が分からなくても英語で受けた方がいい」「日本で運転に慣れてる人が実地で落ちる」と聞いていた。実際に自分が受けてみて、その意味がわかった(笑)。同じ料金で普通車と自動二輪の試験が受けられる(なんでこんなにお得?笑)ということだったので、欲張って両方とも、意味の分からない英語で受けた(笑)。筆記はまぐれでパス。実地は、試験場に自分で車を持っていくのだけど、姉ちゃんに買ってもらったFord Escortのマニュアル車が試験中にエンストしてしまった(笑)。教官がブチ切れて、英語でブツブツ言いながら車から降りて去っていった(今思えば、その教官は歩いてDMVまで戻らなければならなかったのかもしれない)(というか、わたしも置き去り?笑)。自分がどうやって帰ったのか、記憶がない。はっきり覚えているのは、実地試験に落ちた理由が運転技術や交通ルールではなく、車のポンコツ性だったことだ(笑)。そして、DMVの駐車場に停めておいた車の窓ガラスが割られて、中が荒らされていたこともあった。これがアメリカだー!この最初の頃の記憶と経験があるから、エンストしても、ガラスが割られても、ちゃきちゃき対応できるのよ。自慢することではないが… (笑)。(りさ子と彩雲と那月と満星が姪)
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最近、次女に 「お母さんの一番古い記憶は何?」と聞かれた。どこで聞いたのか調べたのか知らないが、「人の記憶って4歳ごろから覚えているらしいよ」と教えてくれた。次女は、8年前に他界した私の父のお葬式を覚えているという。なるほど、当時まだ4歳だった。次女が2〜3歳ごろだったと思うが、カリフォルニアのディズニーランドによく連れていったことがあり、試しに、その時の記憶があるか聞いてみた。全く覚えていないという。何てこった…。運転も人混みも嫌いな私が、子供を楽しませようと連れていったのに、全く覚えていないとは。しかし、覚えていないなら仕方がない。私の一番古い記憶はというと、はっきりとは覚えていないが、昔から一場面だけの記憶がよく思い出される。縁側で哺乳瓶を両手に持って座っている私に、一口だけ飲ませてくれとしつこく頼んでくる姉の姿である。哺乳瓶を持っていたということは、まだミルクを飲んでいた頃、つまり1〜2歳くらいだったのかもしれない。もしくは、だいぶ大きくなっても(4歳とか5歳?)飲んでいたのかもしれない。しかし、一口ちょうだいと頼んできた姉は、今でも人が食べているものを一口ちょうだいと言ってくるので、私の記憶は間違っていないかもしれない。。。(SU)

(2024年6月1日号に掲載)